掛け算の順序の話は式から問題への理解を読み取るのをやめればよいだけだと思うのだけど

この話を見るたびに、掛け算の順序の話は式から問題への理解を読み取るのをやめればよいだけだと思う。黒木さんの意見に賛成。

教える方法として、多くの生徒が学びやすい方法してある型にはめて教えるのは良いと思う。だから、掛け算の考え方を教えるときに《(1つ分の数)×(いくつ分)》という形で考えましょうとするのは別に良いと思う。また、問題文に出てきた数字を機械的に「○×△」としてしまう生徒がいるのが困るというのはわかる。なので、式に使う数字をちゃんと理解しているかどうかを確かめたいというのもわかる。

でも、その理解は、式とは別に問題を増やせば良い。文章題に余計な数字を入れておくとか、「1つ分の数は何ですか?(単位もちゃんとかきましょう)」と「いくつ分の数はなんですか?」を式を書かせる前にいれておけば良い。そうすれば、式から読み取らなくても良くなる。式から読み取らなくて良いならば、式中の掛け算の順番を気にする必要がなくなる。

かけ算の文章題を解く際には、「演算決定」「立式」「計算」という3つのステップがあり、(1つ分の数)×(いくつ分)=(全部の数)とすることは「立式」の部分における約束であることを指導しています。つまり、「立式」はかけ算の意味に基づいて行う必要がありますが、そのあとの「計算」においては、工夫したり、左右を入れ替えて考えたりしてもよいということになります。かけ算の交換法則を指導することで、お子さまの混乱も見えますが、「計算」のステップにおいて交換・分配法則を使うことは、かけ算の数の拡張には欠かせないことですので、「立式」とは別に「計算のきまり」としてしっかり指導しております。
5人に飴を4個ずつ配ると飴はいくつ必要か 赤ペン先生回答より、強調はnext49による)

ベネッセだって、かけ算の意味を理解しているかの確認フェーズ(立式)と式の操作のフェーズ(計算)は分けている。かけ算の意味を理解しているかの確認フェーズを式でやろうとするから、いろいろツッコミ受けているだけ。一番良いのは、理解を文章で書かせれば良い。

結局、これは問題作成コスト、採点コストや授業資料作り直しのコストが論争の真の争点なのだと思う。

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