お楽しみいただきありがとうございます。ちょっとブックガイドを。
「論理って何?」
結局「論理って何?」と思われた方は図書館で以下の本を見つけてお読みください。ネット上のわけの分からない説明を読むよりも短時間でよく理解できて有意義です。
- 戸田山和久:論理学をつくるの第一章
- 二章以降は記号論理学をちゃんと勉強したいときだけ読めば良いです
- 小野田 博一:論理的に考える方法
- 論理学よりもゆるい「論理的」を説明している本です。私は旧版しか読んでいませんが同じ内容だと思います。
「科学って何?」
「科学って何?」と思ったかた、ちょうど柔らかくて面白い本があります。
ハードカバーで分厚いのでちょっと勇気がいると思いますが、著者は科学者でなくライターさんですので、非常にわかりやすくかつユーモラスに科学の歩みを一緒にたどってくれます。これを読めば「科学」というのが冷たく固い規則集なのではなく、熱い揺れ動く不断の努力で更新され続けるものであることがお分かりいただけると思います。
「なんで、プラセボを認める認めないについて熱くなるの?」「なんで、二重盲検法についてごちゃごちゃやりあっているの?」
「なんで、プラセボを認める認めないについて熱くなるの?」「なんで、二重盲検法についてごちゃごちゃやりあっているの?」と思われた方は、こちらの本をお勧めします。
とりあえず代替医療を認める認めないという話は脇にぶんなげて、「証拠に基づく医療」というのがどういう経緯で生み出されてきたのか、そして、その「証拠」となりえるものは一体どういう性質を満たさなければならないのかを学ぶという目的で読んでみてください。お堅い文章ですが、第1章全て、第2章 pp. 78-98(プラセボと二重盲検法の説明)、第6章 pp. 314-322 (なぜ、プラセボしか効果ない治療法が良くないのか)だけ読めば十分です。
「ホメオパシー?何それ」
もし、具体的な議論対象となっていたホメオパシーについて知りたいのであれば、同じく「代替医療のトリック」の第3章をお読みください。
特にpp. 171 - 182のメタアナリシスは、学術論文の書き手であっても勉強になります(疫学の専門家の方にとっては当たり前の話でしょうが、私は知りませんでした)。
「はいはい、結局、科学者さまが偉いって言いたいのね。」
「はいはい、結局、科学者さまが偉いって言いたいのね。」とうんざりされた方、ごめんなさい。そういうことを言いたいわけではないのです。ぜひ、こちらの本で「権威」に騙されない方法を身につけて、「科学者さま」がいったいどれほどのもんなのかを見定めてくださいませ。
また、以下の本は「科学者ってこういうもんなんだろ?」という方にぜひ読んでいただきたい本です。私の読書感想文はこちらです。
おわりに
夏休みですし、外は暑いですから涼しい図書館で知的な楽しみをどうぞ。
追記
- Outfielder 自分自身でかなわないと思ったら、権威ある本を紹介して逃げるというのは極めて効果的な戦法。
あら、そう見えました?