経団連:競争力人材の育成と確保に向けて(2009年4月14日)

(1) 人材育成の場としての大学の重要性

「競争力人材」の育成のため、企業は様々な人材育成プログラムを整備し、社内教育の充実に努めているが、これらの社内教育によって産業人材としての能力を開花させるためには、学校教育段階において、有為な人材を育むことが重要となる。とりわけ大学進学率が50%を超えている現在、人材育成において、大学等の高等教育機関の果たす役割は極めて大きい。

① 教養教育の充実(大学担当)

採用を担当する企業関係者によると、企業が求める「人材像」の要素は、(鄯) 自主性・積極性、(鄱) 進取の精神、(鄴) 柔軟な発想と深い考察力、(鄽) コミュニケーション力、(酈) 国際的な視野と多様性の受容などである。また、学生時代に若者が身につけておくことが望ましい資質としては、外国語能力(特に英語力)を含む国際的な視野、物事を考察する際の基礎となる思考力、それを支える深い教養、自主性・積極性を促す多様な知識・経験などが挙げられる。これらを考慮すると、国際化対応能力を含めた教養教育の充実は、これから社会に出る若者を教育する上で重要な柱とすべきである。また国際性の涵養という点では、海外留学も有効である。海外からの留学生受け入れが進む中、国内と海外の大学の連携・提携が増えていくものと予想され、こうした提携の枠組みを活用しつつ日本人学生の留学機会の拡充を図るべきである。

〜以下略〜

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