アメリカで求められる博士像

そもそもこういう意識なくプログラムが組まれているので、若干無理がありますが、強引かつシンプルに対比すると、、、(左が日本、右がアメリカ)
1. 基本専門知識:知識中心の院試合格レベル+deepな研究テーマ周りの知識 vs. 研究テーマに関わらず体系的に大学教員が出来るレベル(自分のテーマについては最先端にいることが前提)
2. 先端課題認識:自分の研究分野、トピック中心 vs. 研究テーマだけでなく、学問分野全体での大きな課題の理解
3. 問題解決力:ラボでの輪読、日々の議論 vs. 幅広いファカルティとの継続的な訓練
4. written communication:期末レポートおよび論文経験 vs. 体系的な論文,図表表現手法の理解と高頻度の実戦経験
5. oral communication:ラボでの輪読、学会発表経験 vs. 左に加えラボを越えたプログラム、学科での研究、論文発表
6. project management:放任 or 指導教官が圧倒的発言力を持つ vs. オーナーシップは学生。Thesis committeeがサポート
7. coaching capability:特に体系的教育なし vs. How toに加えプログラムの一環として相当量経験
8. 一番大切なのは?:がんばった苦労量と論文数 vs. 体系的なスキルと目に見える経験
こんな感じ。

アメリカすげー!としか言いようがない。ただ、アメリカの大学制度やおかれている環境が違うのでこれを日本にそのまま導入するのはきついと思う。でも、研究者を職業として選んだじぶんとしては、このような訓練を受けてきた人たちと勝負しなければならないから、やるしかないよなぁ。

大きくわけて、アメリカとヨーロッパは学位の意味が違うし、ヨーロッパでも国によって学位の意味が異なる。それでも、相対的には日本の博士号取得は簡単な方であると言わざるを得ない。まあ、日本での学位取得も簡単ではないけどね。

以下、Googleで「Ph.D defense」と検索した結果(博士の最終発表会のことをdefenseという。自分の主張を審査する先生たちから守るので)。