ネイティブスピーカーの前置詞

ハートで感じる英文法でお馴染みの大西&マクベイ氏の本。前置詞に関して理解を深めておかないと英文がさっぱりわからんなぁと思い、積読だった本書を読んでみた。一読した限りですぐにいろいろと読みこなせるとはとても言えないが、ある程度の方向性は見えた感じ。特に of の基本イメージは目から鱗だった。英語が不得意だけれども英語を読まなくてはならない人にはおすすめだけど、9/30に新作がでるとのことなのでそちらを買った方が良いかもしれない。

冠詞、基本動詞、助動詞、前置詞など、基本語彙をどう身につけるかが英語能力を左右する。たくさんの日本語訳をもつそれぞれの基本単語を丸暗記しても際限がない。身にもつかない。どの単語にもある中心的な感触、イメージをつかむこと。それが英語上達の決め手だ。
英語界の鬼才・大西泰斗による「イメージの英語学習」。これまでさまざまな著書に分散していた基本語彙の重要イメージを一冊にまとめた待望の書。英語学習者の必携。
[内容]冠詞、基本動詞、助動詞、前置詞、接続詞、時制、副詞、代名詞ほか(例、theは「1つに決まる」ときに使う、goは「元の場所から離れていく」イメージ、thatは「指す」から「導く」イメージ、現在完了は「迫ってくる」感覚など)。

自分の備忘録として載っている前置詞の基本イメージをまとめておく。

  • over:何かの上を通過する
  • through: 何かを通り抜ける
  • about: 何かの周り
  • accross:何かと十字になる
  • at:点として認識
  • by: そばに
  • for:向かって、〜の方向に。注:終着点への到着を保証していない
  • in:立体的な何かに囲まれている
  • with:つながり(祖先は、方向)
  • on:何かに接触している
  • to:〜の方向に。注:到着を保証
  • of:分離
  • above:〜の上
  • after:あとに続く
  • against:反作用の力
  • along:縦方向に沿う
  • among:個々に区別できないものの間に
  • between:個々に区別できるものの間に
  • before:(時間的に)前に
  • beyond:〜の向こう側
  • during:〜の間に。ただし、何かがその期間に起こったことに力点
  • from:出発点
  • into::〜の中に
  • around:〜の回りに
  • under:〜の下
  • within:(境界が意識されるものに関して)〜の中で
  • without:withの否定

この本を読んで一番の収穫は「of」の性質。基本イメージが分離とは。分離→2者間の関係という発展とは。ofは二者間の関係を読者に理解させるので難しい関係をofで表してはいけないというのは始めて知った。例文であったのは

  • a glass of beer:1杯のビール
  • a glass for beer:ビールのためのグラス=ビール用グラス

前者は自然にすぐに思い浮かぶので of でつないでよいが、後者はすぐに思いつく関係でないのでより具体的な意味合いをもつ前置詞を使わなければいけないとのこと。

あと、英語ではなんで「from the result」ではなく「for the result」というのかがやっと理解できた。forの範囲を限定するという意味合いを用いて「その(実験)結果から言えることは」という意味で「for the result」というのね。

  • 参考: