文科系の大学院の情報は少ないので貴重な記事。ただし、以下のくだりは変更があるので要注意。
5.奨学金は慎重に
育英会などの奨学金を利用するのは大いに結構だけれども、借金が凄い。これ、出た後に響いてくるので、奨学金の利用は内実を良く調べて、ご利用は計画的に。安易に借りると痛い目を見る。「アカポスを取れば返さなくていい!」というが、条件が異様に厳しいので結局全額返すはめになる。育英会に関して言えば、2年で200万以上も借りることになる。目もくらむような額。出来るだけ、大学から出ているような「学費支給」などの、返済しないでいいものを選ぶ。そして、TAなどでお金はまかなえるようにしておく。
日本育英会は、組織が変わり「学生支援機構」になった。
学生支援機構が大学院生に提供している奨学金は、大きく分けて利子なし(一種奨学金)と利子あり(二種奨学金)の二つである。よく言われていることだけれども、「奨学金」と名前がついているけれどもこれは「借金」なので注意すること。
育英会時代には、一種奨学金についてのみ返還免除の規定があった(二種はないので注意)。
(学生支援機構:返還免除より)
大学院で受けた第一種奨学金について、所定の要件を満たし、教育又は研究の職に就いたとき。(返還特別免除制度)
対象は平成16年(西暦2004年)3月31日以前に大学院の第一種奨学生に採用となり、奨学金の貸与を受けた方です。
しかし、これは不公平であるということで、学生支援機構においては別の返還免除規定ができた。
(学生支援機構:返還免除より)
大学院において第一種奨学金の貸与を受け、在学中に特に優れた業績をあげたとき。(特に優れた業績をあげた大学院第一種奨学生に対する返還免除制度)
対象は平成16年(西暦2004年)4月1日以降に大学院の第一種奨学生に採用となり、奨学金の貸与を受けた方です。
つまり、大学在籍中に優秀な成績を上げた学生に対して奨学金返還の全額免除、半額免除が行われることになった。返還免除の枠は大学ごとに決まっており、どういう学生が優秀であるかという規定も大学ごとに決められている(はず)。
大学院に進む前に博士課程まで進むことを決意しており、かつ、奨学金に頼らないのであれば、修士2年次に学術振興会特別研究員に応募するのも一つの方法。特別研究員制度は、採択者を博士在籍期間中、特別国家公務員として雇い上げてくれる制度。月20万弱の給料と年間100万円近くの研究費が支給される。募集が毎年5月のゴールデンウィーク前後なので、修士課程2年次のそのときには博士進学を決意していない人も多い。よって、比較的採用される確率も高いといえる。
学術振興会特別研究員の審査委員をやったことのある先生のお話は興味深い。
みなさんごぞんじのとおり、文系の博士号をとるのは難しい。
以上、ご参考まで。
以下は私の書いた過去のエントリー。
- 大学院修士向け研究室情報チェックリスト(箇条書き版):私が考えた理系の研究室選びのポイント
- 大学院定員3割ルール:大学院博士課程まで終えるのにどれくらいのお金がかかるのか考えてみた