2022年の日本では泣き落としで単位をどうにかすることはできない

Googleで「単位 泣き落とし」「単位 泣きつく」などと検索すると、酒を持っていったらどうにかなったとかそういうエピソードが出てくるが、2022年の日本ではそういうことは認められない。そういうことをすると大学教員は懲戒処分を受けてしまう。

適切なアドバイス

「単位やばいと思ったら?」

試験後ならば上のアドバイスのとおり、試験前ならば即座に担当教員に相談する。中間試験前ならなお良し。早ければ早いほどよい。

成績評価が不当だと感じた場合には、ほぼすべての大学で成績照会手続き(なぜ、この成績になったのかを教務から教員へ問合せする仕組み)があるので、それを利用する。私も毎年数名から問い合わせを受けるが「2回のレポートで評価するのにレポートを1回提出していない」とか「レポート(10点満点×3回)と期末試験(70点満点)の合計点100点のうち、60点未満を落第としている、当該学生は55点だったので落第とした」などと返している。

2022年の日本ではそういうことは認められないという事例

sskdlawyer.hatenablog.com

www.kyobun.co.jp

同学によれば、教授は50歳代の男性。この学生が卒業間近の2015年2月ごろ、事務担当者から、卒業単位は満たしているものの教員免許の取得に必要な科目の2単位が不足していると指摘された。

教授は学生が履修するコースの主任で、14年の夏休み前にこの学生から相談を受け、履修状況を十分確認しないまま「大丈夫。問題ない」などと学生に伝えていた。

www.sankei.com

判決によると、教授は昨年2月、学生から「試験で単位取得に必要な点数を取れなかった。内定先に就職できなくなる」と相談され、再試験を実施。大学には当初の試験で採点ミスがあったと報告し、改ざんした答案を添付して成績変更を申請した。不審に思った大学側が調査して問題が発覚。教授は昨年4月から8カ月間停職となった。

Twitterを授業で使うときは成績関連周りは気を付けましょうという話

www.sankei.com

県教委によると、担当科目「社会と情報」のテスト前日の7月4日、出題予定の時事問題に関して「○○とは何か」などとヒントになるような投稿をした。数日後に保護者から県教委に「ネットで試験情報を教えているのではないか」と問い合わせがあった。

ツイッターのアカウントは4月にクラス全員に伝え、日頃から生徒の質問を受け付けるなどして活用していた。県教委は教師と生徒が会員制交流サイト(SNS)を通じた1対1の接触は禁じているが、全員の質疑応答などに使うことは認めている。

リンク:日本におけるオンライン・ハラスメントの現状と対策:Twitterでの女性記者のツイート「炎上」を例に

f1000research.com

そこで本稿では、炎上現象を検討する際に、オンライン・ハラスメントという概念を導入する。オンライン・ハラスメントとは、「インターネット上で行われる、扇情的なコメントやヘイトスピーチの繰り返しの投稿(「荒らし」「トロール」)、サイバーストーカー、身体的な脅迫、同意なしに性的に露骨な画像を公開すること(「リベンジポルノ」)、個人情報を公開する(「晒し」「ドクシング」)などの行為」を意味する (PEN America, n.d.-b)。

ソビエラージ (2020) によれば、オンライン・ハラスメントは誰でも被害に遭う可能性があるが、特に加害者の標的になりやすい属性があるという。すなわち、

  1. マイノリティである、
  2. フェミニスト (旧来のジェンダー価値観に縛られない)である、
  3. 政治、スポーツ、外交、防衛、サイバーセキュリティなど男性優位の領域について意見する

場合、ハラスメントの標的になりやすく、これらの属性の共通部分においては最もハラスメントに遭う確率が高くなる(図 1)。

次に、Z氏に対する直接リプライと、元ツイートの引用 RT の関係を分析したところ、炎上を通じてハラスメントを行ったユーザーは、3 つの層に分かれることが見て取れた。すなわち、①インフルエンサー (高頻度炎上関与ユーザー群)、②インフルエンサーの「犬笛」に呼応する炎上加担ユーザー群、③荒らしを行うユーザー群、である。

小山ら(2019) による計約 13 万人の炎上参加ユーザーの分析によれば、炎上参加者は他の炎上にも参加しやすいことが明らかになっている。5 件以上の炎上に関わったユーザー77 名に関する詳細な分析においては、それらのユーザー間にはフォロー/フォロワー関係が密に存在し、高頻度炎上関与ユーザーは多くのフォロワー数を持ち、同じ炎上トピックに対してツイートを行うという、情報の共振構造が確認できたという。

犬笛とは「加害的もしくは有害な意味を持つ二重、もしくはコード化された言葉や記号を使い、インターネット上の加害者グループに特定の標的を攻撃するように合図する行為」を意味する (PEN America, n.d.-a)。

デジタル庁 新型コロナワクチン接種証明書アプリをインストールした

デジタル庁作成の新型コロナワクチン接種証明書アプリをインストールした。インストールした端末はiPhone 12 mini (iOS 15.2.1)。
マイナンバーカードを持っているため、ダウンロード&インストール後に証明書発行始めてから3分ぐらいで無事発行できた。必要なのはマイナンバーカードとマイナンバーカードの4桁の暗証番号だけ(本当は3種類4桁の暗証番号があるが多くの人は3種類とも同じ番号にしていると思う)。ワクチン接種情報がマイナンバーと紐づけられているのね。
www.digital.go.jp

4桁の暗証番号を忘れたり、数回間違えて入力してロックされた場合はお近くの自治体のマイナンバー窓口に行って暗証番号の更新をする必要がある。
www.jpki.go.jp

デジタル庁Good Job!

メモ:「女性差別的な文化を脱するために」関連の時系列

こういう主旨のブックマークコメントやツイートをみたのでメモ。

https://anond.hatelabo.jp/20220120112035anond.hatelabo.jp

呉座⇒北村の誹謗中傷については和解が済んでるからね。
和解後にオープンレターって手法でぶん殴って失職させてる。
しかもそのオープンレターが現状では偽造というほかない。
これを考えると今被害受けてるのは呉座で加害は逆側なんだよな

アゴラでもアゴラ編集部名義の記事で間違ったこと書いていたとのこと。
agora-web.jp


「女性差別的な文化を脱するために」に批判的な方が以下のように時系列をまとめている。上の認識は間違っている。

事実経緯:
2020/3-11呉座が北村批判,
2021/1/12機構任期なし内定,
3/17頃北村不快感,
3/20呉座謝罪,
3/24日文研「厳重注意」,
4/4北村オープンレター公開1300人署名,
7月呉座北村和解,北村は呉座謝罪文公開,
8月機構内定取消,
9月機構停職1月,
10月地位確認訴訟提起,
12月ユニオン団体交渉(敬称略)

追記(2022年1月30日)
呉座さんと北村さんの間で論争になり得たのは網野善彦に関する話だけで、あとは控えめにいって悪口です。呉座さんのTwitterの使い方のどの部分が問題視されたのかを知りたい場合はGoogleの画像検索で「呉座 Twitter」で調べると大体わかると思います。


呉座さんが北村さんに関してツイートしたことが誹謗中傷かどうかの判定は本人が誹謗中傷であると認めていて、両者で合意もしているのですから外野が判定することではないです。すでに消されてしまっているので当該ツイートそのものを示すことができませんが、以下のエントリーの真ん中あたりにあるとおり、呉座さん擁護のために北村さんを誹謗中傷するのをやめてほしいと呉座さん自身も述べています。

もし私を擁護する意図で北村さんを攻撃されている方がいらっしゃったら、それは私の望むところではありませんのでやめていただければ幸いです。私もそういう意見にすがり煽ってしまったところがあったかと思います。その点は責任を感じます。申し訳ございませんでした。
https://matomedane.jp/candy/page/73314内のスクリーンショットより)

追記ここまで

2021年3月20日
5chより

Yuichi Goza@goza_u1
【拡散希望】呉座勇一です。ツイッターにおける北村紗衣さんに対する一連の揶揄、誹謗中傷について深く反省し、お詫び申し上げます。謝罪の意思がなかったわけではなく、仲介者を通じて謝罪の意向を北村さんにお伝えしていたのですが北村さんからは「少し考えさせてほしい」と言われ、静観していました

Yuichi Goza@goza_u1 3月20日
私の不用意な発言によって、ますます事態を悪化させることを恐れ、仲介者を頼り、謝罪を後回しにしていたのは、私の心の弱さです。北村さんの名誉を傷つけ、アカデミズムの信頼を失わせ、多くの方のお気持ちを害したことを深くお詫び申し上げます。

Yuichi Goza@goza_u1 3月20日
ツイッター上で多くの方がご指摘下さったように、私の偏見は今さら矯正できないかもしれません。ただ公私を切り分けると申しますか、職場や学会などではそれが表に出ないよう努力してきたつもりです。そのストレスがツイッターに捌け口を求めてしまったのかもしれません。もちろん言い訳にはなりません

Yuichi Goza@goza_u1 3月20日
今後は2度とこのようなことを起こさないと誓います。ただ具体的な改善策・対応につきましては、私の浅知恵で考えるのではなく、皆様のご指導を賜りながら、少しずつ進めていきたいと思います。

Yuichi Goza@goza_u1 3月20日
なお、今回の件に関して複数の研究者の方が仲介を申し出て下さいました。仲介者にとってはリスクしかないにもかかわらず、不徳な私を助けようとして下さったご厚情に深く感謝致します。その人たちの御恩に報いるためにも、できましたら今後も研究活動を続けさせていただければ幸いに存じ上げます。

Yuichi Goza@goza_u1 3月20日
謝罪の直前まで自分を擁護するツイートをリツイート・いいねしており、反省の色が見られないとのご批判を受けました。正直なところ、ツイッターで総批判を受けて精神的に参ってしまい、少しでも自分を支持してくれる意見にすがってしまいました

Yuichi Goza@goza_u1 3月20日
もちろん私の心労は自業自得であり、誹謗中傷を受けた北村さんの方が遙かにお辛かったと思います。結果として、北村さんをはじめ、ますます多くの人を傷つける形になってしまったことを深くお詫び申し申し上げます。

2021年3月24日
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/535715www.kyoto-np.co.jp

digital.asahi.com

国際日本文化研究センター(日文研)助教の呉座勇一氏が女性研究者らを中傷する投稿をしたとしてツイッター上で謝罪した問題で、日文研は24日、発言は「個人の表現の自由を逸脱した良識を欠く行為」であり、呉座氏に対し、井上章一所長らが厳重注意し、女性研究者らに謝罪するよう指導したと明らかにした。

2021年4月2日
www.nichirekikyo.com

今般、日本中世史を専攻する男性研究者による、ソーシャルメディア(SNS)を通じた、女性をはじめ、あらゆる社会的弱者に対する、長年の性差別・ハラスメント行為が広く知られることとなりました。この行為は、「ハラスメント防止宣言」の趣旨と精神に大きく背くものです。歴史学系学会の連合組織として、日本歴史学協会は、この事態を深刻に受け止め、強い危機感をいだいています。

2021年4月4日
sites.google.com

2021年7月1日
saebou.hatenablog.com

3月末に起きた呉座勇一さんの問題について、代理人を介して行った交渉が決着し、先程正式な謝罪文が出ました。はてなをとくに指定したとかではなくウェブで公開ということなので、下に私のDropboxに保存したものへのリンクも置いておきます。

2021年9月13日
国際日本文化研究センター研究教育職員に対する懲戒処分等について

人間文化研究機構は、国際日本文化研究センター(以下、本センター)研究教育職員(当時)に対し、9月13日付けで停職1ヵ月の懲戒処分を行いました。

2021年10月25日
WebArchive: 懲戒理由

色々取沙汰されていますが、ジェンダーに関する不適切発言が最大の理由となっています(北村氏との和解前は北村氏への誹謗中傷がかなりの比重を占めていましたが)。
職場が女性蔑視的発言と認定したものは100件近くにのぼります(一例を挙げておきます)。

一連の発言を深く反省し、皆様に心よりお詫び申し上げます。現在、職場の紹介でジェンダー・フェミニズムに関するカウンセリングを受けております。ジェンダーに関する理解を深め、認識を改められるよう努力してまいります。

2021年11月1日
WebArchive: オープンレター

オープンレターが処分に影響を与えたか否かという議論が盛り上がっていますが、あまりにも自明のことのように思います。

2021年11月2日
ygoza.hatenablog.com

私のツイッター上での一連の不適切発言を正当化する意図はなく、あくまで労働問題として位置付けております。そもそも人間文化研究機構の内規には、テニュア審査を経てテニュア付与を決定した後にこれを「再審査」によって取り消す規定は存在しません。加えて、テニュア審査は学術的な評価基準に基づいて行われており、職務と関係のない私的な発言を理由に「再審査」し取り消すことは、事実上の懲戒処分であり、停職処分と合わせると同一理由に基づく二重処分となります。テニュア付与の取り消しは事実上の解雇であり、解雇権の濫用と認識しております。

2021年11月25日
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/683607www.kyoto-np.co.jp

訴状によると、呉座氏は2016年、任期付きの教員として採用され、今年10月から任期のない定年制の資格を与えて助教から准教授に昇格する決定を1月12日付で受けた。しかし、公開範囲を限定した個人のツイッターアカウントで、特定の女性研究者をおとしめるような投稿を長期にわたって続けていたことが3月に発覚。この問題などを理由に8月、再審査の結果として資格の付与を取り消す通知を受けた。

追記:2023年9月27日

上記以降の流れ。

2022年02月17日:呉座氏からのオープンレターの削除と損害賠償計100万円の支払いを求める文書の通知

私、呉座勇一は、代理人弁護士を通じて、2022年2月17日にオープンレター「女性差別的な文化を脱するために」差出人16名及び元差出人に対し、公開された連絡先メールに通知書を送付しました。
通知書では、オープンレターが虚偽の事実を公然摘示した名誉毀損であることを指摘し、削除・謝罪及び損害賠償100万円の支払い請求すると共に、オープンレターの記載が私のいかなる具体的発言を指しているのかを照会しました。
債務不存在確認訴訟についてのお知らせ - 呉座勇一のブログ

2022年02月25日:呉座氏への債務不存在確認訴訟
www.bengo4.com

このオープンレターの内容をめぐって、呉座さんは今年2月17日、名誉毀損されたとして、差出人ら17人に対して、オープンレターの削除と損害賠償計100万円の支払いを求める文書を通知した。

この通知書を受けて、隠岐さんら原告12人は名誉毀損にあたらないとして、今回の提訴に踏み切った。この日の提訴後、東京・霞が関で原告側が開いた記者会見で、隠岐さんは「この提訴が『女性差別的な文化』を脱するための大きな動きへとつながることを祈っています」と述べた。

ygoza.hatenablog.com


2022年4月4日:オープンレター「女性差別的な文化を脱するために」の公開終了
sites.google.com

オープンレター「女性差別的な文化を脱するために」は2022年4月4日をもって公開を終了しました。多くの方からのご賛同にあらためて感謝申し上げます。今後については詳細が決まり次第このサイト上でお知らせいたします。

2022年4月4日

差出人一同

2022年5月6日:呉座氏からの債務不存在確認訴訟への反訴(名誉毀損に基づく損害賠償請求)
ygoza.hatenablog.com

2022年5月13日:債務不存在確認訴訟(令和四年ワ4634)の第1回期日
ygoza.hatenablog.com

2022年7月15日 :「呉座勇一先生の裁判を支える会」設立
gozasupport.blog.fc2.com


2023年9月27日:呉座氏からの名誉毀損に基づく損害賠償請求についての和解
note.com

ygoza.hatenablog.com


債務不存在確認訴訟はどうなるの?の解説。

メモ:ソート済みの2つのファイルの共通する行、差分を抜き出す

2つのテキストファイルA.txt, B.txtにおいて共通する行、A.txtだけに存在する行、B.txtだけに存在する行を抜き出す。commコマンドは知らんかった。

まず、ソートする。

% cat A.txt
dog
cat
egg
bat
bot

% cat B.txt
cat
elephant
water
dog

% sort A.txt | tee A.txt.sort
bat
bot
cat
dog
egg

% sort B.txt | tee B.txt.sort
cat
dog
elephant
water

共通部分を抜き出す。

% comm -1 -2 A.txt.sort B.txt.sort | tee common.txt
cat
dog

A.txtだけに存在する行を抜き出す。

% grep -v -x -f common.txt A.txt.sort | tee left.txt
bat
bot
egg

B.txt だけに存在する行を抜き出す。

% grep -v -x -f common.txt B.txt.sort| tee right.txt
elephant
water