世間体の文化が感じられたニュース2題

昨日は日本の世間体の文化が感じられて面白かった。

世界遺産に登録されているイタリア・フィレンツェ歴史地区サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂に、岐阜市の市立女子短大の学生6人が落書きをした問題で、松田之利学長と学生らが現地を訪れ、大聖堂側に謝罪した。10日発表した岐阜市によると、学生は謝意と大聖堂の保全のため計600ユーロ(約10万円)を寄付。通常なら受け取らない大聖堂側も今回は修復費に充てるという。

大聖堂の事務局長は「謝罪訪問という勇気ある行動に感銘を受けた。寄付金で落書きを消した個所に、学校名入りのタグ(銘板)を作りたい」との意向を示したという。

6人の学生は3月、すでに文書で謝罪し、許しを得ていた。直接謝りたいという全員の意向を踏まえ、学生の代表1人と学長らが私費で現地に赴いたのは9日。大聖堂の事務局長とともに面会に応じたフィレンツェ市の副市長は「文化を大切にする日本人の意思と厳しい態度に考えさせられた」と話したという。

たぶん、大聖堂側は「落書きをした」ことと「落書きをしたことに対する謝罪行動」を切り分けて、「落書きをしたことに対する謝罪行動」に対して感銘を受け、上記のような申し込みをしたんだと思うのだけど、このニュースを聞いた多くの日本人は、「落書きをした」ことを「落書きをしたことに対する謝罪行動」で相殺し無かったこと(水に流す)にするのが日本の処理感覚なので「水に流してくれない」ことに違和感を持っているのだと思う。

実は許す気全然ないだろこれw
末代まで晒し者にされるわけだ

悪いことをしたら、良いこと(評価の高いこと)をして相殺し、水に流すのが世間体の基本。ただし、どれぐらいの行為で水に流すかはその時々で違うので対応が面倒。一方で、それはそれこれはこれでで「悪いこと」と「良いこと」を同時に存在させる文化や考え方もあるので、世間体文化は「それはそれこれはこれ」文化と相性が悪い。

それを感じさせる2つめのニュースがこれ。

タレントの山本モナさん(32)に再び不倫疑惑が浮上し、その「性癖」がクローズアップされている。週刊誌に狙われることは分かっていたにもかかわらず、また「問題行動」を起こし、番組降板が決まった。

この山本さんが不倫していたとして、一体何が悪いんだかさっぱりわからない。ニュース読むだけでしょ?せいぜい、他の人の不倫のニュースを読むときに他のコメンテーターから「まあ、山本さんも人のこと言えた義理じゃないですけどね。」と皮肉言われて苦笑。というお約束展開ができるぐらいじゃ。小中高大の教員が教え子に猥褻行為などの事件は、直接的に被害がでるし、そういうことを一度やった人は二度目も行う可能性があるので被害者を増やさないために懲戒免職してもまったく問題ないと思うが、ニュース原稿を読む人が不倫しているからといって、どんな被害が。これなんか完全に「それはそれこれはこれ」という話で、社会的に不道徳とされる行為をしたこととニュースの原稿を読むということは共存しても良いのに。

面白いニュースだったのでメモ。