2020年日本夏時間導入可否問題から妄想する太陽系移住時代に対応したソフトウェアの時刻対応

ほぼ、タイトルで言いたいことは尽きている。

メモ:日本に「サマータイム」を導入すると懸念される事柄にまとめているとおり、2020年の東京オリンピックに向けて日本標準時間(JST)を2時間早める日本夏時間の導入が検討されている。それにともない、主にICT業界から「コンピュータの時刻の対応どうすんだよ!」と大批判が上がっている。

で、以下のエントリー。Unix・Linuxで使われているTime Zone Databaseを書き換えることで日本夏時間を実現してみますよという内容。非常にきれいに対応できている。
qiita.com

じゃあ、今回の日本夏時間の導入はこんな風に簡単にできるのかというところなのだけど、そういうわけにはいかない。その理由は上記エントリの後半部分にあるとおり。

で、ここから妄想。太陽系内の惑星や惑星の衛星にて水の存在が確認されている。
www.bbc.com

jp.reuters.com

そして、「火星の人」の映画がヒットした。

火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

現実世界でも火星でジャガイモを育てられるか実験が行われている。
www.afpbb.com

十数年後から数十年後に太陽系内に人類が移住する時代が来るかもしれない。太陽系移住時代には地球とデータ通信をする場面は必ずある。そんなときはUCTをベースにして月時間や火星時間を計算できないといけない。火星移住初期は火星標準時間は1つでも構わないと思うが、移住基地が増えるに従い火星の中で複数の標準時間が作られる時代が来る。

現在、ソフトウェアを作成するときに国際化(internationalization, i18n)を考えなければいけないように、こういう時代に向けて時刻を扱ういろいろなアプリの現地時間をOSのTime zoneに合わせて修正できるようにしておく必要があるのではないかなと妄想した。おわり。

追記:宇宙船や国際宇宙ステーションのオペレーティングシステム

Unix・Linux系なのだろうなぁと思っていたけどそうでもないみたい。

国際宇宙ステーションは大きくわけて3種類のコンピュータがあるとのこと。

  1. 国際宇宙ステーション自体を制御するコンピュータ:
    • 国際宇宙ステーションのロシア区画の生命維持装置などを制御するコンピュータは the Data Management System - Russia (DMS-R)といい、それのOSはVxWorks
    • アメリカ区画の生命維持装置などを制御する50台を超えるコンピュータをつなげたシステムをMultiplexer / Demultiplexerという。OSはThe USOS multiplexer/demultiplexers。このOSはプログラミング言語Adaで書かれているとのこと。
  2. 上のコンピュータにアクセスするためのコンピュータ
    • ロシア側はRussian Laptopsと呼ぶコンピュータ。Linuxベース
    • US側はPortable Computer System(PCS)と呼ぶコンピュータ。Linuxベース
  3. その他、国際宇宙ステーション自体を制御するコンピュータには接続されないコンピュータ(普段使いのコンピュータ)
    • Station Support Computers(SSC)と呼ばれる。Windowsベース。

以下の記事はPCSがLinuxベースになったという記事っぽい。

以下の記事はISSで使われるOSがWindowsからLinuxベースになったといわれているが、それはPCSについてでSSCについてはWindowsベースのままだよ。なぜなら、世界中でWindowsが使われている理由と同じで、普段使っているOSがWindowsだからという記事。