残酷な情報リテラシー

情報リテラシーでは、計算機を用いた演習を多くします。
今、みなさん、立っているでしょう?
計算機が置いてある席に座って下さい。
制限時間は3分。
よーい、スタート!」


教室は戸惑いに包まれる。
どうする?
どうしよう?


結局2分経っても
ほとんど席は決まらない。
「あと1分」と声をかけると
少しずつ座り始めるが
それでも決まらない。
3分を越えても黙って見守る。


4分を越えたところで
席ははすべて埋まり
後ろに学生が10名くらい取り残された。


「席に座れなかった人
一人ずつ感想をどうぞ」


と言うと、一人の学生が
「うわぁ、無責任」
と呟く。
そう。
無責任だ。
社会は無責任なのだ。
next49先生はそれを味あわせてあげる。


学生が答える。
「恥ずかしい」
「みじめ」
「もっと積極的に行けばよかった」
「死にたい。。。」


そうなのだ。
恥ずかしいし、みじめで、死にたくなる思いだと思う。


だけどね、
席を決めているときも
同じように
「人を押しのけて席に座るのは恥ずかしいな」って思ってたでしょう?
その恥ずかしさと
今の恥ずかしさのどっちが上?


「席をとれ」って言って
みんな席をとるのだから
その恥ずかしさに負けず
勇気を出したほうがいい。
こうして席がとれずに
たたずんでいる方が
よっぽど恥ずかしいでしょ?


みたいなことを語りかける。


一人の学生が言う。
「学生と計算機の数が違うのがよくないと思う」


これはよくある思考方法だ。


人のせいにするのだ。
実は、みんな同じ条件で闘っているのに
負けると、自分以外のせいにしちゃう。


next49先生
「自分の勇気のなさを社会のせいにするな!」
一括一喝。
そのあとに、
「じゃぁ、もう一度、席取りをしよう。
違う席に座ってね。
よーい、スタート!」


と声を掛けると
今度はわずか30秒で
すべての席が埋まり
やっぱり10人の学生が残された(笑)。


みんなこの数分で積極的になれたのだ。
恥ずかしさを越え
勇気を身につけた。


これが成長だよ。
それに喜びを感じよう。
これを繰り返せば
半年後にはみんな新幹線の自由席で席をとるのがうまくなる。
next49先生が約束する。
ということで
来週からはもっと広い計算機教室を予約します。


Inspired by 佐藤剛史のofficial blog:残酷な婚学