Togetter:【連ツイ】田舎ツライ ―田舎とは、多様性を受け入れてくれない社会であるのコメント欄にあった「田舎者だけど同意。ただ日本の大半は田舎だと思う」を読んで、「面積的にはそうだけど、人口的には本当かな?」と思ったので簡略ながら検討してみた。
都会の定義が難しいので素朴に以下の条件を満たす土地を都会とした。人口は統計局:人口推計(平成23年10月1日現在)を利用している。
北海道も人口が500万人を超えているが、面積がとても広いので今回の対象からは外した。
大都市圏 | 内訳 | 人口(千人) |
東京圏 | 東京、神奈川、埼玉、千葉 | 35,675 |
中京圏 | 愛知、静岡 | 11,165 |
近畿圏 | 大阪、兵庫 | 14,443 |
北九州 | 福岡 | 5,079 |
-- | 合計 | 66,362千人(全人口の52%) |
上の都会の定義だと全人口の48%が田舎暮らし。もちろん、東京圏を除く他の都市では都会は面ではなく、点で存在するため都道府県庁所在地や政令指定都市、市役所周辺かどうかで話は変わるとは思う。一方で都道府県人口が300万人以上という縛りをいれているため、北関東、岐阜、京都、広島などが都会圏とカウントされていない。なので、目安としては悪くない推計なのではないかと思う。
都会在住と田舎在住はおよそ半々なので、日本の大半は田舎というのは正しい。ただ、イメージよりは都会在住者の方が多いのではないかと感じる。
追記:人口密度で考える
ブックマークコメントで「人口密度で考えろ」「市町村単位だろ」「政令指定都市を考えないと」とご意見があった。都道府県にしたのは人口調査がたぶん存在するするだろうと思ったのが第一の要因。あと、都道府県レベルなら面積調査もあるだろうと思ったのが第二の要因。元々は人口密度でやりたかったのだけど時間がなかったので大都市圏で考えてみた。
国土地理院:平成24年全国都道府県市区町村別面積調査が見つかったので、統計局:人口推計(平成23年10月1日現在)と合わせて都道府県別人口密度を考えてみる。
人口密度10傑
都道府県名 | 人口(千人) | 面積(平方km) | 1平方kmあたりの人数 (千人/平方km) |
東京都 | 13,196 | 2,103.97 | 6.27 |
大阪府 | 8,861 | 1,901.42 | 4.66 |
神奈川県 | 9,058 | 2,415.86 | 3.75 |
埼玉県 | 7,207 | 3,767.92 | 1.91 |
愛知県 | 7,416 | 5,116.22 | 1.45 |
千葉県 | 6,214 | 5,081.93 | 1.22 |
福岡県 | 5,079 | 4,847.20 | 1.05 |
兵庫県 | 5,582 | 8,396.39 | 0.66 |
沖縄県 | 1,401 | 2,276.64 | 0.62 |
沖縄県はさすがに都会というイメージが少ないと思うので、沖縄県の1平方kmあたりの人数と近い兵庫県を都会定義から外す。つまり、1平方kmあたりの人数が11,000人以上の都道府県を大都市圏と考えると大都市圏の総人口は5703万人で、日本の総人口の45%になる。
もし、都道府県別平地面積の情報や市町村別の人口調査や面積調査があるとより正確な人口密度がわかるのだけど。平成22年国勢調査:移動人口の男女・年齢等集計(人口の転出入状況)の都道府県版、市町村版があった方が上記Togetterまとめの「人の出入りが…」という話を考えられてより良いかも。
追記2:人口集中地区
はてなブックマークコメントで教えていただいた国勢調査の「人口集中地区」を使うともっと細かくみることができる。
人口集中地区
国勢調査の結果は,主として都道府県及び市区町村という行政地域を単位として集計・利用されており,このうち,市及び区はまとめて市部として,町及び村は郡部として,それぞれ都市的地域又は農漁村的地域を表すものとして慣用されてきました。しかし,昭和28年の町村合併促進法及び昭和31年の新市町村建設促進法による町村合併や新市の創設などにより市部地域が拡大され,市部・郡部別の地域表彰が必ずしも都市的地域と農村的地域の特質を明瞭に示さなくなったため,この都市的地域の特質を明らかにする統計上の地域単位として,昭和35年国勢調査から人口集中地区が設定されています。
人口集中地区は,平成2年国勢調査までは,国勢調査の調査員が担当する地域である調査区を基に設定されてきましたが,平成7年国勢調査からは基本単位区(「基本単位区」の項参照)を基にしています。
人口集中地区は,市区町村の境域内で人口密度の高い基本単位区(原則として人口密度が1平方キロメートル当たり4,000人以上)が隣接して,その人口が5,000人以上となる地域です。
(統計表で用いられる地域区分の解説より)
そして、この人口集中地区べつの人口および人口密度は平成22年国勢調査の表1:「人口,人口増減,面積及び人口密度−全国※,全国市部※,全国郡部※,都道府県※,市部※,郡部※,市町村※・旧市町村」で取得できる。この表によると、人口集中地区の人口は全国で約8,612万人。人口密度は1平方キロメートル当たりの6757.6人。人口密集度で都会かどうかを考えると全人口の約67%が都会に住んでいることになる。
参考リンク
- 統計局:統計でみる市区町村のすがた2013:統計表が公開されている
本書は,社会・人口統計体系で市区町村別に整備している基礎データの中から主要な項目を選定し,報告書として取りまとめたもので,「I 市区町村編」(100基礎データ)及び「II 基礎データの説明」の二部から構成されている。「統計でみる市区町村のすがた 2013」は,平成25年6月刊行