QWERTY配列はキーパンチを遅くするために提案されたというのはネガティブキャンペーンの結果

Togetter:論文の句読点にピリオドとかコンマを使うのはなぜ?で、和文タイプライターが縦書き仕様だったのを無理やり横書きに使ったという話がでており、「タイプライターの出身が横書きなのに、なぜ、和文タイプライターが縦書き専門?」と思ったのでGoogleでそこいらへんの話しを探していたら以下の面白い記事があった。

たまに耳にするドボラック配列の提案者の話。

しかしドボラックは、ドボラック式配列の普及を、あきらめてはいませんでした。新聞記者に復帰したアレンの依頼で、1955年9月21日付のアレンのコラムに、ドボラックは、QWERTY配列を攻撃する文章を寄稿しています。少し引用してみましょう。
〜中略〜
22年前の論文では「ショールズのキー配列と、英単語中で連続する文字の並びとの間には、単なる偶然を除いて何の関係もない」と主張していて、12年前の論文では「単語中で一緒に使われる文字のうち、最も使用頻度の高い文字どうしが、円形にぶら下げられた活字棒の中で異なる四分円に入るよう、意図的に配置した」となり、そして今回は「タイピストのスピードを遅くしてタイピストを困らせるため、ショールズは意図的に、キーからキーへの指の移動が極端に長くなるように、キーを配置した」という主張になったわけです。どんどんエスカレートしていますね。

ドボラック式配列は、残念ながら、いまだ世間に普及したとは言えない状態です。けれども、「QWERTY配列タイピストのスピードを遅くするためのものだ」というガセネタは、今や世界の常識とも言えるものになっています。ドボラックは、ドボラック式配列の普及には失敗しましたが、QWERTY配列に対するネガティブ・キャンペーンには大成功した、ということでしょう。世界中の多くの人々が、「QWERTY配列タイピストのスピードを遅くするためのものだ」というガセネタを、頭から信じてやみません。しかしそれは、本当にドボラックが望んだことだったのでしょうか。