修士卒業がやばい状況です。
私の学科は修士審査で落とされるところです。はっきりいって、具体名は言えませんが、新しい分野であるため、実力が伴っていないのに教授になってしまっている人たちがほとんどの学科です。システムエンジニアレベルのこと、もしくは情報系の超簡単なアルゴリズムや数学理論を引っ張っくるだけのことしかしていません。私の教授に関しても難易度を考えられずに私にテーマを押し付けました。しかも、その分野のことを数年前にやったらしいのですが、実際は数十年前の簡単な数理モデルを私の分野に適応しただけで、それで専門家と名乗っているのが状況でした。実際になんとか適用できそうなアルゴリズムを見つけ自分の課題に合わせて実装したのですが、結果があまり出ませんでした。最先端のアルゴリズムを適用しても解決に至らないことは勉強しはじめてからわかったことでした。しかし、修士卒業したいため、なんとかやりました。理論的背景は数学科を出身の人でもかなり難しいらしく、かつ私が参考にした論文も最高峰のジャーナルのものですが、間違いだらけで著者が理解しきれていないと思うといわれました。
結果として、結果もあまり出ていない、理論的背景も理解しきれていないという状況に陥っています。教授が実現可能性を考慮することができず、あまりにも難しい課題を与えられたあげく、しかも指導教授おろか教授陣にその難しさも理解されてもらえなさそうですし、指導教授は簡単なことしかしていないと思われているようです。また、教授にとって難しいことを言いだすと教授はキレて暴言を吐いたり、質問することは勉強不足だと私のせいにされます
。修士審査に関しては、いちおう卒業させるつもりらしいですが、たとえば数学科出身の他の教授が私を叩いて私がうまく理論的背景をこたえられない場合、留年もありえると思っています。現に去年もその例がありました。口では卒業させる、よく頑張ったといっていても、審査で学生が叩かれると、理解していないため、学生は完全に努力不足で、かつ進捗報告もあまりしなかった(実際相当してきた)と堂々と審査でいったのです。先輩方や講師の方も数学的に難しい課題のため、聞いても何の解決にもならないです。また、誰かに相談しようとすると他人の邪魔をするなと指導教授が言っている状況でもあります。正直こんな状況なのですが、どうしたらいいのでしょうか?なんとしても卒業したいです。落ちれば人生が狂います。説明が下手なのですが、書いて質問するだけでも心が落ち着くかもと思って書きました。駄文すみません。
(卒業研究・修士研究時の悪循環を防ごうのコメント欄より)
状況がit55さんからみたことだけしかわからないので有効なアドバイスはできませんが、とりあえず、修了を焦点において対策をたててはいかがでしょうか。
いかなる大学でも最も重要視されるのは公平性です。修了要件を満たしている学生について、不当に修了させないということはできません。また、近年は大学もアカデミック・ハラスメントについて注意をはらっています。ですから、it55さんが修了要件を満たしている限り、適切に対応すれば必ず修了できます。
また、重要なのは自分の将来の選択肢を減らさないことです。もし、既に内定を貰っている企業が「修士号」を強く欲していないならば、別に修士号をもらえなくても修士課程を中退し、4月から就職してしまえば良いと思います。
以上のことから次のことをまず調べてはいかがでしょうか?
- 所属専攻・コースの修了要件
- 特に履修案内に記載されている要件が重要です。可能ならば、指導教員独自の修了要件、専攻・コースの内規(明文化されていない修了要件)、履修案内に記載されている要件をそれぞれ調べたほうが良いです。
- 修士号が取れなかった場合に就職できるか
- 人事の方に「修士号が取れなかった場合に就職できるか」をそれとなく聞いてみてください。博士号の例ですが、企業によっては人材をとりたいのであり、資格を収集したいわけではないので別にかまわないというところもあります
- 大学内のアカデミック・ハラスメント相談窓口&手続き
- アカデミック・ハラスメントの相談の準備として調べるべきです。
- 大学内のカウンセリングサービスの窓口&利用方法
- it55さんの精神状態がとても重要ですし、アカデミック・ハラスメントを訴える際にも手助けになってくれるはずです。非常に、策略的ですが、可能ならば現時点で相談に行き、精神的に参っている証拠をカルテに残しておくべきです。
次に証拠を残しておくべきです。防御的研究室生活の手引きの「手引き6:証拠を残す」を参考にしてください。可能ならば、ミーティング時の教員の指導を録音して残しておくべきです。
続いて、修了要件を満たすように全力を尽くすべきです。it55さんは修了要件を既に満たしているでしょうか?そうでなければ、最短で修了要件を満たすようがんばりましょう。
所属の専攻・コースの方針がどうなっているかわかりませんが、ほとんどの教員は、修士までは研究者の卵の卵であると認識しているはずです。ですから、修士の研究テーマがまともかそうでないかの責任は指導教員にあると認識していると思います(学生が自分で選ぶにしても、指導教員の指導が入ると考えているはずです)。ですから、非常に難しいテーマにとりくみ、それによって成果があまりでなかったとしても、それを理由として学生を修了させないことはないと思います。しかし、成果が全くでていないのは問題です。理由は、努力していない可能性があるからです。ですから、少しでも何らかの成果(ネガティブなものでもよい)を出しているということが重要です。
最後に気にされている、使用したアルゴリズムの理論的背景の話ですが、取り組んでいる問題が解決できるのであれば、そのアルゴリズムの理論的背景をちゃんと説明できるかどうかは重要度が高くありません。
it55さんのテーマにおいて、重要なのは多分「そのアルゴリズムで何が解けるのか?」だと思います。「そのアルゴリズムはどのような理屈に基づいて動いているのか?」を知ることは、そのアルゴリズムを使いこなす上でとても重要なことですが、解きたい問題がそのアルゴリズムで解けるということが分かっており、かつ、実際に結果がでたのであれば、それを理由として、その研究成果を否定するほどのことではありません。「『このアルゴリズムで何が解けるのか?』について主張している文献の記述を信じて、アルゴリズムを適用し、結果を出しました。」といえば良いだけです(もちろん、考察や今後の発展を書くためには苦しいですが)。
重要なのは、問題の解決にそのアルゴリズムが使えるということが説明でき、かつ、そのアルゴリズムのおかげで問題の解決が少しでもおこなえたという事実です。研究で重要なのは問題の解決であり、使った道具をどれぐらい良く知っているかではありません。もちろん、道具をほとんど理解できずに使っているならば「こいつはこの道具を使って本当にまともな結果を得られたのか?」という疑念は受けます。ですが、その疑念を晴らす説明ができればどうにかなります。
もし、「そのアルゴリズムで何が解けるのか?」を理解していないのでしたら、私のオススメは、そのアルゴリズムを一度捨てて、自分が取り組んでいる問題を解くのに適したアルゴリズムを探しなおすことです。問題さえとければ、道具は何だって良いのです。「ドアを開けること」だけが目的なら、鍵を使って開けても、蹴り飛ばして開けてもどちらでもOKなのです。
健闘をお祈りいたします。