一つ前のエントリー(「名称みたいな重箱の隅を突っついて内容を議論してくれない」問題)に関連して。
榎木さんをはじめとするサイコムのみなさまの活動は素晴らしいと思うし、協力したいと思っているけれども、文系、理系といった分野を問わない研究者のみならず、企業、行政、報道機関、学生、教育関係者、市民など、科学に関心のある人なら誰でも参加できるネットワークの名称が「研究者ネットワーク」というのは、間違ったメッセージを発してしまっているのでうまくないと思う。
ノーベル賞受賞者じゃない研究者の緊急討論会のエントリーでも書いたのだけれども、科学を発展させる方法は研究活動だけではない。なので、研究者は「科学=研究」という図式のみで科学を語らないように常に気をつけなければならないと思っている。
「研究者ネットワーク」という名称は、明らかに「研究者同士のネットワーク」を意味しており、研究者のみが属しているように思われてしまう。新団体サイエンス・サポート・アソシエーションの設立で述べられているように、研究者ネットワークがサイエンス・サポート・アソシエーションの窓口として使われるのであれば、サイエンス・サポート・アソシエーション自体が研究者だけを対象とした団体に思われてしまう。
別の名称にした方が良いと思う。辞書によれば、研究、科学、科学者の意味は以下のとおり。
- 科学
- 科学者
一般的な意味でも、辞書的な意味でも「科学者」と「研究者」はほぼ同じ意味で使われていると思う(「科学」=「自然科学」となると話は変わるけど)。なので、「科学者ネットワーク」も名称としていまいち。
なので、「科学愛好家ネットワーク」を名称として提案する。愛好家が趣味っぽい響きを出してネガティブかもしれないけれども、サイエンス・サポート・アソシエーションの設立意義からすれば、こんぐらい敷居をさげてしまったほうが良いと思う。研究者や科学者も広義の意味で「科学愛好家」だし。