「なんでも質問する」姿勢と「ググってから質問する」行動や質問の仕方による回答の相場観に関連した話。
卒論生に対して、毎日のように「何でも質問して」というのだけど、まだ質問がでない。なので、どこまで自主努力したら十分努力したとみなすかを具体化してみた。自己規制気味の方は以下をたたき台にしてみてください(なお、指導教員や上司ごとに方針は違うと思うのであくまでたたき台としてご利用ください)。
基本方針
以下のケース別下準備の行動をすべて行なった上で、なお、「すっきりしない」や「納得できない」場合は、指導教員や上司に相談すること。
もっと、念入りに下準備したい場合は自問自答すればよい。
ケース1: 研究の背景、目的、位置づけについて
- 自分のわからないと思うことを文章で丁寧に書く(親や高校生ぐらいのいとこに説明するつもりで)
- 研究ノートや過去のメールを読み返し、その点について既に指導や助言をもらっていないかを確認する
ケース2: 専門用語や概念、コンピュータのコマンドなど
ケース3: ソフトウェアのインストール、プログラミング
- 現在の計算機環境を調べる
- コンパイラーや処理系のバージョン
- 使用しているOSのバージョンや言語
- インストールしようとしているソフトウェアのバージョン
- 使用しようとしているライブラリーのバージョン
- 何を行なった結果、エラーが発生したのかを記録する
- エラーメッセージを記録する
- エラーメッセージが出るまでに行なった操作を記録する
- 可能ならば、再実行して同じエラーがでることを確かめる
- マニュアルを読む(エラーメッセージを中心に)
- man, infoコマンドでマニュアルを読む
- ライブラリー、ソフトウェアの配布元のページにあるマニュアルページを見る
- ライブラリー、ソフトウェアの配布元のページにあるFAQやトラブルシューティングを読む
- エラーメッセージをキーワードとしてGoogleで検索し、検索結果上位10件ぐらいを読む
ケース4:上記以外の場合
- 「もやもやする」「わからない」「納得できない」ことを言語化や図示してみる(できないならば別にできなくて良い)
- このことについて「既に分かっていること」を列挙してみる
補足説明
いきなりGoogleで検索しない理由は、Web上の情報は取捨選択されていないため、場合によってはよりわからなくなってしまう可能性があるため。特にソフトウェアのインストールトラブルなどは、バージョンや計算機環境の違いにより、対処が異なる場合が多い(典型例はRuby on Rails)。
まず、情報が体系的にまとまっている辞書や本を利用し、その後、Googleを使うようにした方が効率が良い。