リンク:日仏論文構成の違い

日本とフランスの学術論文の論理の構成の仕方に原因があります。日本の学術論文は流れにすると、

日本方式:
研究の目的を述べる→先行研究では不十分であることを示す→問題点を分析→解決法を提示→解決法が有効であることを証明

となります。それに対しフランスの学術論文では、

フランス方式:
技術動向(State of Art)を記述→技術の改善の方向性を述べる→問題点を分析→解決法を提示→解決法が有効であることを証明

となります。これだけだと、「研究の目的」と「技術の改善」はほぼ一緒で、「先行研究」と「技術動向」はほぼ一緒なので、最初の2ステップがひっくり返ってるだけだと考えるでしょう。でも、これだけで論理の作り方が全く異なります。なぜなら、日本方式では「私(主観)が何を研究目的にするか」を語るのに対し、フランス方式では「技術動向からして(客観的に)このように技術を改善すべき」と述べなければなりません。つまり、日本では「で、あなたの研究の目的は何?」と問われるのに対し、フランスでは「で、客観的に見てどのように技術を改善すべき?」と問われるということです。

なるほど。おもしろい。