よい本。英語が得意で無いのでとても気が楽になる。
ソレイシィ氏の主張は、ネイティブスピーカーらしく話せることを重視することよりも、まずは簡単な英語をつかって標準スピードでのコミュニケーションをできるようにするべきであるというもの。標準スピードでコミュニケーションをとれるようにするためには、使いまわしの聞くフレーズが必要であり、そのフレーズの候補として”May I have 〜"というフレーズを紹介している。なんと本のまるまる後半分を使って。
この主張の根幹にあるのはソレイシィ氏の経験から、ソレイシィ氏は「大丈夫ですか?」というフレーズを中心に日本語を覚えて言ったとのこと。「単語+大丈夫ですか?」で大体の日本人は、ソレイシィ氏が何を求めて、何を聞いているのかを理解してくれたとのこと。たしかに、「単語+大丈夫ですか?」で多くの日本人は状況に応じてほとんど相手の意図を理解できる気がする。
- ここ、大丈夫ですか? (空いている席に座りたいとき)
- この切符、大丈夫ですか?(乗り物などに乗るときに自分の持っている切符が有効であるか聞きたいとき)
- たばこ、大丈夫ですか?(ここでタバコをすってもよいかどうかを確認するとき)
- ごはん、大丈夫ですか?(ここで、ご飯食べれるかどうか聞くとき、あるいはご飯を既に食べたか聞くとき)
”May I have”は何かしらの許可を求めている表現であり、haveは応用範囲が広い動詞。本で紹介されている”May I have”の使い方かなり広い
- 手渡して欲しいとき。 May I have the menu? May I have that?
- 物を貸して欲しいとき。 May I have this book for a week?
- 物を見せてほしいとき。 May I have that picture for a moment?
- 時間を聞くとき。 May I have the time? May I have the time for that bus?
- 〜お願いできますか? May I have your name? May I have your name again?
- 聞き取れなかった事柄を言い直して欲しいとき。 May I have that again?
- リスニングで相手の返事の範囲を制限して聞き取る。 May I have the pictures next week?
- 相手に何かをしてほしいとき。 May I have some more?
- 助けを求める。 May I have some help in my room? May I have some help with the window?
あと、場面別のMay I haveの使い方も練習課題として提示されている。
- 電話
- 旅行
- ビジネス
- 人の家に行ったとき
- 恋愛
- トラブル解決
- アポイントメントをとるとき
- 飲み屋で
- ユーモア
- 友人と
私は、先にソレイシィ氏のネイティブなら子どものときに身につける 英会話なるほどフレーズ100―誰もここまで教えてくれなかった使える裏技を読んでいて、氏の主張に賛同している。
少なくとも私は、外国人の方が日本人と同じくらい流暢な日本語を喋れなくても別にコミュニケーションをとれないとは思わないし、実際、留学生と接していると面と向かって会話している限り、多少、助詞や語順、言い回しがおかしくてもこちらが補完しつつ会話することは可能だ。これは、私が英語が流暢な留学生と英語で会話する時でも同じ。私の崩れた、不正確な英語を英語が達者な留学生はおぎないつつ聞いてくれる。重要なのはコミュニケーションする意志と伝えたい事柄の内容だと思う。相手が寛大でないときにはこの方法は通じないのだけれども。