OpenOffice.orgを大学で採用するメリット

大学教員の日常・非日常:しがらみに敗北のコメント欄のどっかの学生さんへコメント付けようと思ったのだけど、文字数多すぎてコメントつけられなかったのでトラックバック

どっかの学生さんのコメント

多くの会社で使われていると思われるMSを使わないで、互換性が在るとはいえ、微妙なレイアウトで変化して結局多量の微調整のいるStarSuiteを使うメリットをネタにしてもらえるとバカな大学生としては助かります。

私なりのOpenOffice.orgMS Office製品に対するメリットは、

1. 無料(ネットワークが整備されている大学という環境では、本当に無料)
2. Windows, Mac OS以外でもファイルのやりとりが可能(Linux, PC-Unix, Unixでも読める)
3. 標準機能として、PDFファイルに変換が可能

1のメリットは、最近のPCでは、Officeをあらかじめインストールした形で打っているのでメリットが少なく感じられますが、4年に一度くらいMS Officeがバージョンアップしていく現状を考えれば、4年に一度の出費を抑えることができるのでやはりメリットでしょう。2のメリットは極少人数にとってのメリットですが、普段の作業を考えるとLinux, PC-Unixを使わざる得ない人にとっては、切実なメリットです。3は、次のMS Officeではわかりませんが、現状は金銭面から考えて大きなメリットです。

一方、大学(少なくとも私のいる大学)でのMS Officeの使われかたを見る限り、ばりばりとマクロを使ったり、データベースと連携させたりして業務に使用しているならばMS Office製品の方が良いと思いますがテキストでもよいことをWordで、ちょっと表が含まれている
ドキュメントならばExcelで文書を作って、それをメールで通達するだけならば、MS Office製品である必要性が全くありません。今後、ペーパーレス化が進むにつれ、編集可能な電子文書ファイルがメールでやりとりされることは多くなり、この用途の比重が高くなると予想されます。

さらに、多くの大学ではMS Office製品&Windows OSを揃えるための費用は、教員の研究費(or 自費)であるので、必要なければMS Office製品やWindows OSを買いたくない人もいます。しかも、ここ数年の風潮として研究費は大学外部から調達しなければならないようになってきていますので、余分なお金は使いたくない人は大勢いるはずです。

多くの会社で使われていると思われるMSを使わないで、互換性が在るとはいえ、微妙なレイアウトで変化して結局多量の微調整のいるStarSuite

達人レベルならば話は違いますが、大学の授業やレポートをまとめる際に使用するレベルの使いかたならば、StarSuite (OpenOffice.org)をつかえるならば、MS Officeも必要とあればすぐに使えるようになります。しかし、MS Officeでテンプレートが作られている文書をOpenOffice.orgで作りなおして提出するというのであればご質問のとおりメリットはほとんどありません。

大学生にとってみて、OpenOffice.orgを使うことのメリットは金銭的なものだけだと思いますが、デメリットもたいしてないと思います。一方、MS Officeを使うことのメリット自体もたいしてなく、高々 MS Officeをつかったことがあるという経験による親しみがでるくらいだと思います。研究室配属後はともかく、学部生時代にデータベースと連携させてMS Officeを使うなんてことしませんよね?

一方で、大学教員にとっては、Linux, Unix, Windows XP, Windows 2000, Mac OS各種が入り交じった組織内で文書をやりとりする際の苦しさの幾分かは、MS OfficeからOpenOffice.orgへ移行することで和らぎますのでメリットは多大です。