先のエントリーに関連して、ニセ科学に自然科学の各分野の常識が有用なカウンター情報であるように、「伝統」や「一般常識」や「空気」を前提としたさまざまな議論のカウンター情報として史学や民俗学の常識がとても有用だと思う。
とはいえ、史学や民俗学の人がニセ科学の話のように積極的に議論していけということは別に思わない。ブログなどWebでアクセスできるところに、自分の分野の常識やその常識を裏付ける文献情報をちょろっと書いておいてくれれば、必要な人がどうにか探し出すと思う。それは今回の原発事故で実証済み。たくさんの論文や文書が資料として探し出された。
他にも、今回の原発事故に対する科学コミュニティのリスクコミュニケーションの失敗をしてきするために2002年のWebページが探し出されてリンクされている。
また、昨日の島田紳助さん引退の話についても、以下の4年前の記事が関係あるんじゃないかとはてなブックマークで注目されている。
なので、研究者や専門家が自分の分野の常識をWeb上にまとめて、常にアクセスできるようにしておくというだけでも、自分の専門知識を社会へ還元をしているといってよいと思う。今ならば、Wikipediaにまとめておくというのも良い。
従来は本にするというのが重要だったけど、本は検索性が悪いので非専門家にとっての利便性という観点からすれば、Webページの方が良いと思う。ただし、情報の体系的な取得の効率は本がまだまだ上だと思うので、本の抄訳や概要をWeb上に用意し、その上で本の書誌情報やamazonへのリンクを張っておくのがよいのかもしれない。