ABDUCTIONシリーズ読了

作家の平井和正さんは、2000年ごろから電子書籍で自分の小説を出版している。そのためにe文庫という会社(サイト?)を立ち上げて、2003年ごろまで結構精力的に出版もしていた。私もファンなので、電子書籍でしか発刊されな新作を買っていた。

ところが、その当時は魅力的なPDFビューアーもなく、電子書籍はパソコンで読まなければならなかったので、実際のところは買っただけであまり読んでいなかった。博士後期課程に入り、国際会議に参加するためにホテル泊をしたときに、持って行ったノートPCで読む程度だった。

そして、時は流れて2011年。私はiPad2を買った。論文を読む目的以外に特に使い道を考えていなかったけど、手持ちのPDF版平井和正の著作群をiPad2にいれて、夏に国際会議に参加。夜のホテルで何気なく、地球樹の女神を読み始めた瞬間から、私の中で数年ぶりに平井和正ブームが戻ってきた。やっぱり面白い!

その後、幻魔大戦DNAを読み、家に書籍であった月光魔術團を読み。とあさっているうちに、ABDUCTIONシリーズを買っていたのを思い出しiPad2へ。

で、数日間かけて読み終わったのだけど。面白かった。2003年の作品で、一度読んでいたはずなのだけど、途中からまったく記憶がなく、非常に楽しく読めた。全部で20巻あるけれども、全部iPadに入っているから、次に次にすらすらと読める。しかも、書籍のサイズがPDFにジャストフィットしていて読みやすい。

全部で6部に分かれていて、第一部は時空暴走 気まぐれバスの改訂版。

  1. WAYWARD BUS -気まぐれバス-(大改訂版)〈全2巻〉
  2. STRAY SHEEP -迷い子-〈全4巻〉
  3. ABDUCTION -拉致-〈全5巻〉
  4. SILENCE -沈黙-〈全4巻〉
  5. SHADE -翳-〈全3巻〉
  6. CAPRICIOUS -移り気-〈全2巻〉

読み終わった感想は、さすが平井和正、多世界&ループの扱いに慣れている!というのと、比較的不条理でない終わり方で非常に面白かった。平井作品は扱っているテーマがテーマだけに、初めから途中までの面白さはすごいのだけど、終わりがいつもちょっとなんだよなぁ。という不満があるのだけどこれは綺麗に収まっていると思う。

魔法少女まどかマギカ」や「シュタインズ・ゲートのような多世界&ループものがお好きならば、ぜひ読んでみてほしい。ただ、問題は今もe文庫は機能しているかどうかという点なんだよなぁ。もし、e文庫が生きているならば、平井作品のPDF版をひととおりそろえたい。書籍版はもう入手が難しい感じなので。