リンク: ファビュラスな姉の何も入らないバッグ・シリーズ

採点祭に疲れを覚えている方々は、ぜひご覧ください。なお、リンク先の他のエントリーは職場での閲覧がためらわれる刺激の強い画像がある場合があるのでお気をつけて。

叶姉妹 公式ブログ

シリーズの6より前が探せない。Google先生のsite検索を持ってしてもひっかからない。さすがファビュラス。

保育園~中学校まで必要なのは公的個人認証に紐づくGoogle Drive?

「どうせ、保護者へのおたよりをMS Wordなどでつくるのだから、それをPDFにしてネットにUploadしちゃえばいろいろ幸せなのに」と思うのだけど、そんなに簡単でもないのだろう。

1 学年だよりはどこかに貼っておけ

 特に行事予定と集金。学年だよりで重要そうなイベントはスマホのカレンダーかリマインダーに入れておく。

 自分はGoogleカレンダーからGAS使って毎朝Slackにリマインダーが飛ぶようになってる。

 学年だよりにはその月にやる単元がのっている。図工の用意なんかはそこを見て教科書を開けば一発で分かるし、最近の学校はちゃんと1ヶ月前には便りを出すか連絡帳で知らせてくれる。

 そうじゃ無いと言うことはただの怠慢だから担任から校長に意見をあげてもらうか、2学期の終わりにある学校評価の保護者アンケートで書いておく。

2 お便りはとりあえず写真をとっておけ

 あそこはペーパーレスとは無縁だ。おびただしい量の手紙が来る。特に1年生のはじめは毎日学年だよりが来る。

 忘れるし、買い物行ったときに揃えるモノが分からなくなるから写真とっておけ。

 あとは学年が始まった最初に配られる、年間行事計画は絶対に写真をとっておくこと。授業参観の予定が1年分出ている。さすがに半年以上前に出ていたら休みの調整は出来るだろう。
はてな匿名ダイアリー:先輩パパからアドバイスしようより)

1 学年だよりはどこかに貼ってください
頼みます。私は4月の学年だよりを配るときに子どもたちに「おうちの人と相談して、学年だよりを貼る場所を決めて欲しい」と伝えます。
~省略~

2 お便りはとりあえず写真を撮っておく

撮っておいてください。学校側でも予備保管は1週間くらいしかしてないのです。大抵直前になってお便りが無いという連絡が来ます。
写真を撮っておけば印刷も家で出来ます。

先輩パパからのアドバイスに補足しよう!より)

なんでネットに学年だよりやお便りをUPLOADしてはダメなのかを予想すると以下の理由が考えられる。

  1. 不特定多数が閲覧すべき情報ではない。基本的にはあるクラスに所属する生徒とその保護者が閲覧対象なので、それ以外に見せるのはまずい(まずい事態が発生する可能性がある)
  2. すべての家庭がネットに自由に接続できるとはかぎらない。
  3. 生徒自身にも見てもらいたい
  4. 接続および閲覧環境をロックインしてしまうのは公的性質の高い学校としてはまずい
  5. 教職員のITCスキルが高くない(アップロードは難しい)
  6. 学校から設置費用および運用費用を出すことができない

基本的に1の問題を解決しようとすると4, 5, 6の問題を悪化させる。

まず、5の「教職員のITCスキルが高くない(アップロードは難しい)」について考えると、DropboxGoogle DriveOneNoteなどのオンラインストレージの仕組みおよび使い勝手にすれば、MS Wordで学年だより作れるITCスキルがあれば十分対応できる。

2と3の問題については、低学年時は紙で配布し、高学年になったら必要に応じて生徒に学校で印刷させるようにすれば良いように思う。どちらかというと「生活にネット接続は不可欠」という認識の下で子供手当の一環としてスマートフォン&ネット接続を支給するぐらいに国の子育て支援政策がなるとよいと思う。

4に関してはオンラインストレージ方式ならWebブラウザがあればアクセス可能なので基本問題ない。

6に関しては、全国の保育園、幼稚園、小学校、中学校、必要に応じて高校、さらには必要に応じて町内会などでもこういう仕組みは求められていると思うのでクラウド型の機関リポジトリ環境提供サービスのように、文科省が国立情報学研究所や傘下の独立行政法人に委託して、一括で環境を構築してしまい自治体レベルで費用を徴収するのが良い。こういうものを各学校が発注して運用するのは非効率。

最後1については、せっかく個人情報カードという個人認証の仕組みができたのだから、これを活用するのが良い。入学時に保護者の公開鍵を提出してもらって、それをシステムに登録(この部分を簡単にする方法を考えるべきだけど)。オンラインストレージにアクセス時の認証は、マイナポータル関連で発行したOpen IDを使って行うようにすれば良い。OpenIDの登録時にシステムに登録済みの公開鍵と合わせて、アカウントを作成できるかを判定する。こうすれば、普段のアクセスはカードリーダ使うことなく、OpenID使えばよい(Twitterとかにログインするのと一緒)。これで、少なくとも学年単位で保護者だけにアクセス制限することができる。

Google Calendarとの連携とか凝った仕組みにしても、5年、10年と経つうちに意味がなくなってしまうので、素朴にオンラインでファイルを特定の人に受け渡しできる環境だけあれば、少なくとも保護者はハッピー。学校側も「お便りもらっていません」とかいう問題がなくなるのでハッピーかもしれない。

残念な放送:Session 22 「無血十字軍を成し遂げたフリードリヒ2世に学ぶ共生のヒント」

面白そうな話題だったのだけど、解説の本村凌二さんの説明がうまくなくて聞いていられなかった。ダメな卒業論文や修士論文はこうあるべきという見本になっている。時間に余裕のある卒論生、修論生はこのエントリーの最後の情報提示の順序を気にしつつぜひ聞いてみてほしい。その結果感じるこの放送に対するフラストレーション(つっこみ)がそのまま、みなさんの論文や発表の改善に反映できる。

www.tbsradio.jp

私はどこを不満に感じていたのか。ざっくりいうと専門家の悪いコミュニケーションの典型例になっているということ。

  • リスナーが持っている知識を考慮して話していない。
  • 自分が話したいことだけを話し、情報の取捨選択をしていない。
  • 情報提示の際に時間的、空間的構成を配慮していない

放送では、司会の荻上チキさんは「リスナー目線で」ステップバイステップで情報提示してもらおうと問いかけている(たぶん、上記の専門家の悪いコミュニケーションを防ぐため)。なのに、それにちゃんと対応した答えをしていない。最初はフリードリヒ2世とはだれか?当時の状況はどういうものだったのかを説明してもらおうとしている。

  • 荻上氏のふり「フリードリヒ2世とは誰ですか?」→そこそこわかる説明(シチリア生まれ、後の神聖ローマ皇帝、アラビア語を含む6か国語の話者)
  • 荻上氏のふり「当時のヨーロッパの政治状況、宗教状況とはどういうものだったのですか?」→ほとんど関係ない話(神聖ローマ帝国の位置づけの説明&フリードリヒ2世の業績を同時代人がどう受け止めたかの話)
  • 上の質問に対する回答で宗教的状況の説明がなかったため、荻上氏のふり「宗教状況とはどういうものだったのですか?」→関係ない話(フリードリヒ2世が十字軍にどう対応したのか。それがどうすごいのかの話)
  • 上の質問に対する回答が横にそれていったので、荻上氏が引き取ってまとめ。その後、法王の権威について説明してもらおうと話をふる。ただし、まとめの中で「皇帝は法王に戴冠を認めてもらう」という話をする。→違う話を始める( カノッサの屈辱の話、そのあとに、またフリードリヒ2世の業績がどうすごいのかの説明)
  • 荻上氏が上の話をまとめた上でふり「具体的に無血十字軍というのはどう達成されたのか?」→ 時系列に沿った説明ではないが一応説明。
  • 以下略

フリードリヒ2世 (神聖ローマ皇帝) - Wikipediaの方が専門家の話よりもわかりやすいとはどういうこと!?

この放送は、「フリードリヒ2世のやったことはどれくらいすごいことなのか?そして、その事例から現代の私たちが学べることはなんなのか?」を伝えることが主題なので、情報提示の順番は以下のようになる。カッコ内は論文に置き換えた場合何にあたるのか。

  1. フリードリヒ2世は何者で何をしたのか(概要)
  2. フリードリヒ2世登場前のヨーロッパ・地中海世界の情勢はどういうものなのか(背景および前提知識の提供)
  3. 十字軍とは何で、フリードリヒ2世の前の十字軍はどうだったのか(解決すべき問題の提示と先行事例/研究の説明)
  4. フリードリヒ2世の十字軍はどうだったのか、何が他の十字軍と違ったのか(解決法の提示&説明)
  5. フリードリヒ2世の十字軍終了後の経緯(結果)
  6. フリードリヒ2世の十字軍から学べることは何か(考察)

今回の放送は上の一番説明したいのは、4,5,6なのだけれども、これを理解するためには、まず2で前提知識を共有させ、3で比較対象を明確にする必要がある。でも、今回の放送では最初から4を説明し、比較対象の3をちゃんと説明していない。さらには、2の説明をすっとばしているので、4の理解も不明確になってしまう。

メモ: 疑似科学とされるものの科学性評定サイト

私は「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」は良い試みだと思っているのだけど、「ニセ科学」批判のキクマコさんは違う評価みたい。なのでメモ。

ホーム | 疑似科学とされるものの科学性評定サイト

Twitterのコメント









togetter.com

情報のフィルタリングの基準としては一理あると思う。

石川研究室

社会学の人だと思っていたけど、違うのね。第5世代コンピューティング経由の方なのでどちらかというと情報系みたい。

バックグラウンドが複雑。

  • 1982年3月:東京工業大学 理学部 応用物理学科 卒
  • 1983年3月:東京工業大学 総合理工学研究科 物理情報工学 中退
  • 1995年3月:東京農工大学 大学院工学研究科物質生物工学専攻 論文博士
  • 1996年4月 - 1997年3月 明治大学 法学部 兼任講師
  • 1997年3月 - 2002年3月 明治大学 文学部 助教授(情報科学センターで各種情報論を担当)
  • 2002年4月 - 2003年3月 デューク大学 工学部 客員研究員(超心理学のメッカであるライン研究センターに滞在し、超心理学の歴史と現状を調査研究する)
  • 2002年4月 - 2004年3月 明治大学 文学部 教授
  • 2004年4月 情報コミュニケーション学部 教授

cruel.hatenablog.com

私の感想

プロジェクトの提案者が科学的なやり方をしていないので、そのプロジェクトを信用しないというのは情報フィルタリングの基準としてありだと思う。一方で、提案者がどういう人であれ「他者が検証しやすい形で情報を提供している」のは良いのではないかと思うので、このまま、ブラッシュアップしていっていただきたいところ。私の認識では Wikipediaのあり方と一緒に見える。

ただ、ニセ科学批判者の権威として扱うのはうまくないように思う。あくまでもプロジェクト起草者として敬意を払う感じで。