子供の成長に応じて契約内容が変わるのならば問題ないのでは

私は13歳にiPhoneはパワフルすぎるから、防御的なラインから始めても良いとは思う。私が考える重要な点は子供の成長につれて、この契約内容が変わっていくこと。

契約内容について私の感想

13歳の息子へ、新しいiPhoneと使用契約書です。愛を込めて。母より より転載。

1.これは私の携帯です。私が払いました。あなたに貸しているものです。私ってやさしいでしょ?

最後の「私ってやさしいでしょ?(Aren’t I the greatest?)」は「母さん、うざっ!」と思うけど、これを意識させるのは重要だと思う。生活必需品の提供とぜいたく品の提供は別々に考えないと。iPhoneは明らかにぜいたく品。自分の財力で買えないものを「当たり前」と思わないようにしておくのは、将来的にも重要だと思う。

2.パスワードはかならず私に報告すること。

これは年齢に応じて変えるべき話。使い始めなら牽制としてこういっておくのもいいんじゃないかと思う。ただ、成長に応じてこの条項は変えられるべき。多感な14歳〜15歳のときには外しているべきじゃないかな。

3. これは「電話」です、鳴ったら必ず出ること。礼儀良く「こんにちは」と言いなさい。発信者が「ママ」か「パパ」だったら必ず出ること。絶対に。

これは一般的に適用できる話じゃなさそう。後半はわかるが前半がわからない。

4. 学校がある日は7:30pmに携帯を私に返却します。週末は9:00pmに返却します。携帯は次の朝の7:30amまで電源オフになります。友達の親が直接出る固定電話に電話出来ないような相手ならその人には電話もSMSもしないこと。自分の直感を信じて、他の家族も尊重しなさい。

これも年齢に応じて変えるべき話。自分がゲーム機買ってもらったときも同じようなルールを課せられていた。結局、隠れてゲームしていたけど。

5. iPhoneはあなたと一緒に学校には行けません。SMSをする子とは直接お話しなさい。人生のスキルです。注:半日登校、修学旅行や学校外活動は各自検討します。

これは良いルールだと思う。

6.万が一トイレや床に落としたり、無くしたり、破損させた場合はの修理費用は自己負担です。家の芝生を刈ったり、ベビーシッターをしたり、お年玉でカバーしてください。こういうことは起こります、準備していてください。

これは1番と関連した話。大事に扱うべき理由を明示しているだけ。

7.このテクノロジーを使って嘘をついたり、人を馬鹿にしたりしないこと。人を傷つけるような会話に参加しないこと。人のためになることを第一に考え、喧嘩に参加しないこと。

これはiPhone関係ないと思う。対面でのコミュニケーションとネット越しのコミュニケーションには実は差がないということを理解するまでは重要なルールかもしれない。

8.人に面と向かって言えないようなことをこの携帯を使ってSMSやメールでしないこと。

7と同じ趣旨。7が抽象的なので、8と9で代替して良いかも。

9.友達の親の前で言えないようなことをSMSやメールでしないこと。自己規制してください。

7と同じ趣旨。7が抽象的なので、8と9で代替して良いかも。7と別の意図を強く伝えるならば「友達のiPhoneの中身を友達の親が見ているかもしれません。だから〜」と入れても良いかもしれない。

10. ポルノ禁止。私とシェアできるような情報をウェブで検索してください。質問などがあれば誰かに聞きなさい。なるべく私かお父さんに聞いてね。

これに対する抑止力が2のパスワード共有の条項なのだと思う。

11. 公共の場では消すなり、サイレントモードにすること。特にレストラン、映画館や他の人間と話す時はそうしてください。あなたは失礼なことをしない子です、iPhoneがそれを変えてはいけません。

これは重要。私も言ってしまうときがあるが「携帯が急に鳴ってしまって。すみません」という言い訳は本来おかしい。携帯はモノなので、急に鳴らないように設定できる。まさに「携帯(iPhone)に礼儀を変えられている」状態。大人である私も気を付けないといけない。

12.他の人にあなたの大事な所の写真を送ったり、貰ったりしては行けません。笑わないで。あなたの高知能でもそういうことがしたくなる時期がやってきます。とてもリスキーなことだし、あなたの青春時代・大学時代・社会人時代を壊してしまう可能性だってあるのよ。よくない考えです。インターネットはあなたより巨大で強いのよ。これほどの規模のものを消すのは難しいし、風評を消すのも尚更難しい。

重要。取り返しのつかないことは「ちょっとだけ」でもやってはいけない。

13.写真やビデオを膨大に撮らないこと。すべてを収録する必要はありません。人生経験を肌身で体験してください。すべてはあなたの記憶に収録されます。

これは余計なお世話な気がする。美術館や博物館に行って、写真ばっかり撮っている人をみて「何しに来ているの?」と思うこともあるのでわからなくはないけど。ただ、行動履歴(思い出のインデックス)としての写真や動画というのもあることが、だんだんわかってきたので、一概に写真撮りまくるのが悪いわけでもないと思う。「膨大に撮らないこと」がポイントなのだと思うけど。

14.ときどき家に携帯を置いて出かけてください。そしてその選択に自信を持ってください。携帯は生きものじゃないし、あなたの一部でもありません。携帯なしで生活することを覚えてください。流行に流されない、FOMO(自分だけが取り残されるていると思ってしまう不安感)を気にしない器の男になってください。

これは余計なお世話のような。伝えようとしていることは重要だけど、iPhoneを使うときの約束事に入れないで、そういう状況を親が作ってあげればよいと思う。

15.新しい音楽、クラシック音楽、あるいは全員が聞いている音楽とは違う音楽をダウンロードしてください。あなたの世代は史上もっとも音楽にアクセスできる世代なのよ。この特別な時代を活用してください。あなたの視野を広げてください。

これは余計なお世話。きっかけを作るところまでは他人ができるけど、何を好きに思うのかは個人の自由に任せてあげてほしいところ。iPhoneを使うときの約束事に入れないで、そういう状況を親が作ってあげればよいと思う。

16.ときどきワードゲームやパズルや知能ゲームで遊んでください。

これは余計なお世話。13あたりから、「あっ、これもいれとこ」みたいな雰囲気になっている。

17.上を向いて歩いてください。あなたの周りの世界を良く見てください。窓から外を除いてください。鳥の鳴き声を聞いてください。知らない人と会話をもってみてください。グーグル検索なしで考えてみてください

重要だけど、iPhoneを使うときの約束事に入れないで、そういう状況を親が作ってあげればよいと思う。

18.あなたは失敗する。そのときはこの携帯をあなたから奪います。その失敗について私と話し合います。また一からスタートします。あなたと私はいつも何かを学んでいる。私はあなたのチームメイトです。一緒に答えを出して行きましょう。

どういうときにiPhoneを取り上げるのかを書いておくのは良いとは思う。

おわりに

この契約に足りないのは、どうやってこの契約内容の変更を行うのか、契約はいつ切れるのかが書いていないこと。まあ、親子なので適宜変えるとは思うけど、それがそれが書いてあった方が、より公平な契約な印象が増すのではないかと思う。

独身だからかもしれないけど、iPhoneの使用契約書の記事を読んで感動する人は親になる資格などない。で言われているほど、ひどい約束事ではないと思う。もちろん、後ろ3分の1は大きなお世話だと思うけど、ネット初心者を守る重要なポイントは抑えられているのではないかと思う。

なにより、親が子供に与える「ぜいたく品」について、自分がどういう風に使ってほしいのかを明確化しておくのは良いことだと思う。当然、子供はそれを守らないだろうけど、何も考えずデタラメに与えて後悔するよりは、よっぽど良いと思う。