原画と朗読で綴るサイボーグ009の世界

毎週楽しみに見ている「おしゃべりやってます第5放送」の10/9分配信で、「当日券もまだあるよ」といっていたので原画と朗読で綴るサイボーグ009の世界を見に行ってきた。

とても堪能しました。

開演前

東京は詳しくなく、渋谷は東横線の乗り換えぐらいしか利用しないので、休日の渋谷に集まる人の多さにびっくり!ハチ公口前のスクランブル交差点は本当にすごい人だかりだった。そのスクランブル交差点を外国人観光客の方々がビデオや写真を撮りまくっていたのはほほえましかった。なるほど、東京に行ったら必ず見たい名所になるわな。

会場がC・Cレモンホールというところで、地図でみると渋谷区役所の近くということだったので標識を頼りに移動。人ごみにあわせて歩いていると後ろから「置鮎さんって、かっこいい系だよね」「ヒロシは別格として、**さんも**さんもかっこいい。」などと聞き覚えのある声優さんの名前が聞こえてきた。天下の公道で声優トークをしている人たちの会話を聞いたのは生まれて初めてだったのでちょっと興奮。本当に声優ファンっているんだなぁと思った(まあ、私もわざわざみに行っているので声優ファンの一部でしょうが)。交差点でスピードを調整し、その会話をしている人の後にマーク。その人たちを道案内に無事にC・Cレモンホールにたどりついた。C・Cレモンホールって渋谷公会堂のことなのね。

原画と朗読で綴るサイボーグ009の世界は14:00と19:00の二部構成で私が見ようと思ったのは19:00の部。C・Cレモンホールについたのが17:30くらいで、すでに結構な人だかり。開場が18:00だったため入口前で時間つぶしをしているらしい。驚いたのは女性がとても多いこと。009って、女性に人気があったのね。

当日券(6,800円)も無事購入でき、近くのレストランで腹ごしらえ。そのレストランのプレミアムモルツの生が生臭くてちょっと興をそがれた。

18:20ごろにC・Cレモンホールの中へ。私の席は2階の左側。初めて、C・Cレモンホールにいったけど椅子は程よい柔らかさで結構深く腰掛けられるのでとても快適だった。

隣に座っていた方が熱く「小野坂昌也のラジオが〜」と小野坂さんのラジオについて熱く語っていたので、同じファンとしてなんだか嬉しかった。

19:00開演。

開演中

時間とともに場内が暗くなり、スポットライトが客席を一回りなめるように照らし出す。開演ブザーはならなかったけど、この演出で場内は一瞬にして「始まる!!」という感じが高まり、すぐに静かに。4人の狂言回し担当の方が客席から登場して、朗読劇が始まった。正直、最初の10分くらいはマイクを通した発声に私の耳が慣れなくて、何しゃべっているのかさっぱりわからなかったが、それも時間を追ううちに慣れ、朗読劇の世界に引き込まれた。

いきなり主役の009:島村ジョーとヒロインの003:フランソワーズ・アルヌールの芝居からスタート。「こっ、これは、さやえんどうだ!」という009の発言には笑いそうになった。009、003、006、001、そしてギルモア博士による10分ほどストーリーが続いたあとで「よし、みんなを呼ぼう!」と熱い展開に。そして、まさかのレニーハートによる、サイボーグ戦士の呼び込み!面白かったし、かっこよかった。私の感覚ではお客さんは9割女性だったのだけど、このサイボーグ戦士たちの呼び込みでその理由がわかった。009が女性に人気だったんじゃない。声優さんたちが人気だったんだ!

拍手の大きさでは、おしゃ5メンバーは神谷さん、置鮎さん、小野坂さんの順番だった。緑川さんもすげー拍手をもらっていた。派手だとうわさの置鮎さんの衣装が見れて眼福だった。うん、派手。

内容についての感想から言うと、とっても面白かった。ストーリーの完成度としてはいまいち、でも2時間の演目としては文句なしの面白さだった。9人のサイボーグ戦士を中心に数人のサブキャラクターの合計15人弱が登場人物。009を知らない人用(あるいは各声優さんファンへのサービスとして)8人のサイボーグ戦士(009を除く)がそれぞれどういう生い立ちでどういう経緯でサイボーグになってしまったのか、そして、サイボーグの体を得たことでどんな苦しみを抱えているのかを描いていったので、メインストーリーに費やす時間がなくなってしまった。その結果として、メインストーリーの解決がご都合主義っぽく感じられたのがストーリー的に残念なところ。

一方で、サイボーグ戦士たちの悩みをそれぞれのモノローグで語らせたので、声優さんたちの芝居が堪能できた。お気に入りは002:ジェット・リンクのモノローグ。薄汚れた路地で少年達に歌を届けるジュークボックス、目に浮かぶようだった。あと、冗談めかしていたけど、006:張々湖のモノローグもグッと来た。「あるよあるよの国のあるよの無い話」。003:フランソワーズ・アルヌールのモノローグは「あなたは〜していて?」というスタイルで009に問いかけるスタイルだった。正直最初は「くどいなぁ」と思っていたけど、「あなたが命を賭けて守った世界を私は恨んだ。」という情念ほとばしる台詞には涙が出そうになった。

途中のブラックゴースト vs 009のくだりは、話を全然知らないので、「帰りに本屋開いているかなぁ?サイボーグ009の何巻買えばそれを読めるんだ?」で頭が一杯に。そして、009と002の宇宙からの帰還のくだりは、感動するとともに「これは、ボーイズラブな構図だな。801ちゃんだったら、チャックから中身がでちゃう展開だ」と腐った思考が頭をよぎった。

演劇は小学生のころに2〜3本見ただけだし、朗読劇なんて初めてだったので、声優さんが舞台で顔出ししている状態で、サイボーグ009の世界にのめりこめるかなぁと心配していたのだけど、まったくそんな心配はいらなかった。目には舞台上の声優さんたちが映っているのだけど、耳から入り、舞台中央に映し出されている原画を見ると、不思議なことにうまい具合に頭の中で変換されて全く違和感なく楽しむことができた。さすがプロ。

大好きな小野坂さんは007:グレート・ブリテン役。006:張々湖とセットでお笑い担当だった。小野坂さんと張々湖役の龍田さんが笑いをとるたびに大きな拍手。007の見得、モノローグ、006のテレビCM(最高だった)、そして、クライマックスシーンの心理攻撃、次々と心を破壊されていく仲間達に007と006がとった行動とは・・・。いやー、すっげー笑った。

途中に10分くらいのトイレ休憩を挟み、19:00開演、21:30終演。あっという間だった。思わず、トイレ休憩中にこの朗読劇のDVDを予約してしもうた。

終演後

ちょっと、一杯やっていきたくなって渋谷マークシティの中にある銀座LIONへ。エビスの琥珀とクリーミートップスタウトを賞味。琥珀がおいしいのはもちろんのこと、クリーミートップスタウトがおいしくてびっくりした。これは良いビールを見つけた。

その他

  • 大塚周夫さんを生で見れて嬉しかった。劇中、周夫さんが、かんだときがあったが、そこで「シマッタ」という顔をするでもなく、何事もなかったように演技を続けられるのを見て、なるほど「さすがプロ」だと思った。素人考えだと、本番中に台詞をかんでしまったら、思わず止まり、そのあとの演技にも支障をきたしそうなもの。でも、よく考えれば我々は普通に会話しているときしょっちゅうかむ。そう考えれば、劇中の人物が会話の中でかむのは致命的なことでなく、そのミスの結果として取り乱してしまい劇中の人物の裏の演者が見えてしまうことが致命的なこと。自分がプレゼンテーションを行うときも見習おうと思った。
  • 主要登場人物以外のすべての声を担当した4人の狂言回しの方々の格好が素敵だった。
  • 龍田さんと江川さんは自由すぎ。さすがベテラン。
  • 今日の物語の主役って004?009は案外影が薄かった「おかあーさん」「かそくそーち!」

出演者のみなさん、スタッフのみなさんお疲れ様でした。