Open Researcher and Contributor ID

トムソン・ロイターが提供しているResearcherIDのお知らせにて、ORCID(Open Researcher and Contributor ID)と連携する旨の話しが載っていた。

We've updated the look and feel of ResearcherID and made it easier to browse for like-minded researchers directly on the homepage. We are also happy to announce integration with Open Researcher and Contributor ID (ORCID) initiative.

The next time you log in to ResearcherID, you'll be asked if you want to associate your ORCID with your ResearcherID or sign up for one. A link to your ORCID profile will be displayed on your ResearcherID profile.

ORCIDってなんぞとGoogle先生に尋ねたら以下のレビューが見つかった。

学術研究成果の多くは論文として出版され公表される。論文は、すでに存在する論文を引用しながら、それが表す知識の体系を位置づける。そのような知識の体系を構成することに、誰が貢献したか、どのような組織が貢献したかがわかるように、内容とともに著者の名前や所属組織名が明記される。助成機関に対して謝辞を加えることも多い。ある研究者がどのくらい知識の体系化に貢献したかを測ってみたいとき、その研究者の論文を並べてみればよい。それがいわゆる業績リストである。著者本人の申告だけでなく、より客観性を帯びた形でリスト化されればより正確な評価が可能となるであろう。今では、論文や業績リストがWeb上に公開されるようになり、瞬時にそのような情報を得ることが可能となった。出版者の論文検索システム、機関リポジトリ、出版者や機関の研究者ディレクトリなどから直接、または大手の検索サービスを介して取得可能である。

このとき、名前の表記だけで論文などの研究成果を分類すると困ったことが起きる。ある論文に書いてある著者名と別の論文に書いてある著者名は同じ表記であるが、同姓同名の別の人物かもしれないということである。これが英語論文に明記されるローマ字による表記となれば、漢字に比べて同姓同名の割合はもっと増える。また、表記が異なるが同一人物であることもある。論文に明記される名前は、結婚などを機に姓を変え、別の理由で名まで変化することがある。論文の指定する表記方法の違いから、名前の表記揺れもある。

客観性があり正確な業績リストを作成するためには、このような名前の問題を解決して、研究者ごとに研究成果をリスト化する必要がある(1) (2) (3)。名前の問題を解決して同一性を判断することを「名寄せ」(Name Disambiguation)という。

本稿で取り上げるORCID(Open Researcher and Contributor ID)は、学術情報流通の世界を対象として様々なステークホルダーが集まってこのような名寄せの問題に取り組む国際的な組織である。IDとは識別子のことであり、ORCIDでは研究者だけでなく貢献者(4)に付与される。筆者はORCIDのテクニカルワーキンググループのメンバーであり、名寄せのためのシステム構築の議論に参加してきた。

2012年10月16日から研究者が登録できるようになったみたい。

どういう方針で研究者情報を管理していくのかについては上のカレントアウェアネス・ポータル:CA1740 - 動向レビュー:著者の名寄せと研究者識別子ORCID / 蔵川 圭や下の資料に詳しく書かれている。

GitHubにWeb API関連の情報が。

NIIの武田英明先生が2012年のBoard of Directorsに入っているので、近い将来、ReaD&Researchmapや科研費データベース、CiNiiとORCIDは連携するのではないだろうか。

研究者の職がどんどん変わること自体は国が推奨しておりますでも書いたとおり、研究者が研究を続けるためにポジションを変えていくのは日本においては国が推奨しているので、こういう研究者識別IDの重要性はどんどん増すと思う。特に、Nature指南の所属確認や経歴確認をちゃんと行うためにもこういうシステムを導入するのは重要。研究者だけでなく、マスコミ各社にとってもORCIDは手助けになるのではないだろうか。

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