研究のステージと成果

うまくまとまっていないけど。

レベル 目的 備考
ビジョン 新たな研究分野の創出 論文にはなりにくい。大先生の講演、単行本、招待論文などで提案される
問題 ある事柄がある分野において「問題」であることを明確にする 論文にはなりにくい。ポジションペーパーならあり得る
解決法 問題発生メカニズムの分析し、ある問題の理論的解決法・緩和法の提案をする 論文になり得る。アルゴリズムの提案などはここのレベル。数学的な話が多い。
解決法の実現 提案された解決法にしたがい実際の問題を解決・緩和するシステムを構築する 論文になり得る。アルゴリズムに基づくプログラムやソフトウェアの開発はここのレベル。実験や実証例が必要
実用化 提案された実現法の効率を向上、またコストの低減を行う 高速化や省電力化などがここのレベル。企業に渡す直前までいけるととても良い研究

何をもって「問題」とみなすのかによって、この区分けは容易に変化してしまうけれども、大雑把にはこのようなレベル分けがあると思う。理想的な研究は、問題から実用化まで一通り終わり、実用化以降は企業が利用してお金儲けしてくれるような研究。しかし、大学で行われる研究の多くは、問題の提示、解決法の提案、解決法の実現ぐらいまでが多い。というのは、解決法の実現以降はお金がと人手が関わるわりには、新規的とみなされないため。泥臭い工程が延々と続く。

原著論文(=学術雑誌掲載のフルペーパー)は、基本的に問題、解決法、解決法の実現がセットになっている。国際会議などだと、現在進行中の研究の発表が許されるので、問題&解決法、問題&解決法&解決法の実現(未完成)などの発表もあり得る(分野によるけど)。

論文を書きやすいのは解決法の実現〜実用化の初期のあたり。すなわち、主に改善の論文「従来の実現方法だとXXが悪いのでAという仕組みをBに変えて実現する」というスタイルの論文。問題ははっきりしているし、解決法も既に明確。私もこのレベルの論文が多い。