大学院入試の時期ですね。大学院入試を受ける方にちょっとアドバイス。
「志望動機に自分でツッコミどころを仕込んでいるくせに、そこを質問された瞬間に固まらないで!」
たぶん、どこの大学でもそうだけれども志望動機を尋ねるのは、本当に志望動機を聞きたいのではなく、あなたの緊張をほぐすためです。面接で100%尋ねられる志望動機は、受験者も100%準備してきているはずですから、美辞麗句&かっこよいことが並んでいると大学教員側も予想しています。目が左上の遠いところを見つめ、顔の表情がなくなり、異様に滑らかに口から出てくる志望動機のどの部分を信じれば良いのでしょうか?なので、志望動機をそのまま受け取ることはありえません。
緊張をほぐしてもらい、ついでに、次の質問のネタが得られれば良いなぁくらいの位置づけですから、ある程度のキーワードを自分のやり方でつなげて話せたらそれでOKです。原稿の暗記は逆にダメだよ!あなたが記憶した原稿どおりに読み上げられなくても、こっちはわかんないだから「すみません、間違えました」とか言われても逆に困るよ。
で、結構な学生さんが自分で志望動機にツッコミどころを用意しておいて、そこを突かれた瞬間にフリーズするんですよね。こちらとしては、まだ緊張をほぐそうとしている段階なのに…。
例1
- 学:「どうして、大学院に進学したいかというと研究を始めてから研究の面白さを感じて、この研究をもっと続けたいと思ったからです。」
- 教:「では、現在までに研究はどれくらい進みましたか?」
- 学:「大学院入試の勉強のため、あまり進んでいません。」
- 教:「じゃあ、どこで研究の面白さを感じたの?」
- 学:「…」
- 教:「…」
例2
- 学:「プログラミングに興味があるのですが、学部時代はあまりプログラムをしていませんでした。大学院に入ってからプログラミングの知識を深め、就職に備えたいです。」
- 教:「現在の卒業研究のテーマを教えてください。」
- 学:「線形代数の〜」
- 教:「それ、理論系の研究テーマですよね。では、大学院に進んでからプログラミングが必要な研究テーマに変えるのですか?」
- 学:「いえ、今の研究テーマを発展させたいと思います。」
- 教:「修士課程にプログラミングの授業はないのですが、どこでプログラムの知識を増やす予定なのですか?」
- 学:「大学院に入ってから考えます。」
- 教:「…」
例3
- 学:「一度、**系の会社に就職活動をしたのですが、グループ面接などで他の方々の発言を聞いて自分の知識が足りていないなと痛感し、大学院で足りない知識を増やそうと思いました。」
- 教:「どんな知識が足りていないと思ったのですか?」
- 学:「***系の知識です。」
- 教:「***系の知識をどうやって身につける予定ですか?」
- 学:「卒業研究と修士研究を通して身につけようと思います。」
- 教:「あなたの研究室は〜〜系なので***系の知識は使わないと思うのですが。」
- 学:「…」
- 教:「…」
面接の練習をする場合には、自分が発言した内容をきっかけとしてそこから切り込んでくるということを想定しないといけない。4月から研究室に配属されたような学生が研究の面白さに目覚めたからと発言するのは大学教員からするとツッコミポイントなので、完全武装しておくこと。
楽しさや重要性というのはは主観的なものなので、何を楽しい/重要と思っても、何故それが楽しい/重要と思えるのかを他人に分かるように説明できればOK.10秒黙ってしまったら負けだから、自分を飾らず素直に自分の思ったことを言ったら良いです。
みなさまのご武運をお祈りいたします。