メモ:ウズベキスタンと日本の関係って何?

以下の記事がTwitterのTLに流れてきて、「ウズベキスタンって独裁者がいる国じゃなかったけ?」と思い検索して結果をメモ。
news.yahoo.co.jp

7日に行われた東京五輪の新体操団体予選でウズベキスタン代表が人気アニメ「美少女戦士セーラームーン」をほうふつとさせるセーラー服風のレオタード姿で主題歌「ムーンライト伝説」にのせて舞った。SNSでは「ウズベキスタン」がトレンドワードで急上昇し、「有観客だったら日本人の私世代の人たち、まじで大喝采だったと思う」「本当に無観客の悲しみを感じた」などの声が上がった。

独裁状況について。
globalnewsview.org

2021年9月、ウズベキスタンは独立30周年を迎える。しかし、独立してから今日に至るまで、誕生した大統領はわずか2人である。イスラム・カリモフ氏とシャフカト・ミルジヨエフ氏だ。初代大統領であるカリモフ氏は、四半世紀にわたって大統領として君臨し、権威主義的な独裁政治を行ってきた。そのカリモフ氏の死後、2016年に新大統領に就任したのが現大統領でもあるミルジヨエフ氏だ。彼は政権を握るとすぐに強権政治からの脱却を掲げ、ウズベキスタンを改革すると期待されてきた。では実際に、どのように変化したのだろうか。その謎を探る。

初代大統領がなくなったのが2016年。以下の記事では、日本への好意は実利があることを説明している。
www.newsweekjapan.jp

中央アジア諸国は、ロシアや中国といった一国のみに依存して自主性を失うことを嫌う。この点、日本は格好のオプションを提供している。中央アジアは中国やロシアの裏庭に位置する。この5カ国が自主性を持ち、日本を支持してくれれば、日本の対ロ・対中外交にとっても力となる。

一方で、日本への好意も歴史的経緯があるとのこと。
www.jftc.jp

第2次世界大戦後に多くの日本人がソ連に抑留され、ウズベキスタンにも約2万5千人が捕虜として連行されましたが、強制労働により多くの方々が当地で亡くなり日本人墓地で眠っておられます。当時、捕虜の身でありながらも日本人としての誇りを捨てなかった先人は、ウズベキスタンの地で非常に頑強でデザイン的にも優れているとして知られるナボイ劇場をはじめとする建築、多くのインフラ整備を進めました。

navoi.nobuhiko-shima.com


上記のナボイ劇場を建設した生き残りの日本兵の方々は舞鶴経由で帰国したとのこと。
youtu.be

2018年には上記のナボイ劇場70周年記念で映画が撮られている。
eiga.com

先代大統領カリモフ氏の下でも日本アニメは流通していた様子。2013年の記事
www.jica.go.jp

コスプレでは、参加者がアニメキャラクターの衣装を着て、そのアニメの写真をバックスクリーンに映しながら、ステージでパフォーマンスをしました。おなじみのセーラームーン、東方プロジェクト、アムネシア、ベルゼブブ、新世紀エヴァンゲリオン、デュラララ、DEATH NOTEのヒーローたちが登場し、カラオケではNARUTO、黒執事、心霊探偵八雲、BLEACH、セーラームーン、けいおんK-ONのテーマソングを元気に日本語で歌ってくれました。

2006年の元ウズベキスタン大使 楠本祐一氏の講演をまとめた冊子

実際のところ、ウズベキスタンとの関係が始まって今日に至るまで、日本の援助額が総額で約 1,200 億円と言われております。中央アジアの諸国の中
ではウズベキスタンが我が国援助の最大の受入国です。そして約 1,200 億円のうち、約 900 億円ぐらいは低利でお金を貸す円借款です。そのほか医療、教育関係とかのプロジェクトに対する無償資金供与、それからJICAが中心になっている技術協力です。円借、無償、技術協力、この 3 本柱でやっています。
(p. 21より)

ウズベキスタンにおける日本語教育状況(2019年度)
www.jpf.go.jp

特徴

小学生から大学生まで幅広い学習者層を持つのがウズベキスタンの特徴である。それぞれのレベルで特に口頭表現能力が高い学習者が顕著で日本語弁論大会では多くの日本人聴衆を驚かせている。

高等教育機関での日本語教育は主専攻として教えられている機関が3機関、選択科目として教えられている機関が5機関となっている。タシケント国立東洋学大学日本語講座では言語学に関する学士論文は日本語で書くことが義務付けられており、高い文章作成能力が要求されている。また、日本の支援グループの協力を得て運営されているフェルガナ州リシタンの「のりこ学級」は、教師に事欠くこともあるような厳しい教育環境の中、モスクワ国際学生日本語弁論大会で優勝者を輩出するなど着実な成果を生み出している。

学習者の多くが通訳や翻訳、日本企業や政府系団体等への就職を希望し、熱心に学習しているが、日本語を活かした就職口は容易に見つからないというのが実情である。また、日本留学を希望する学習者も年々増えているが、経済的な理由で希望が叶えられない者も少なくない。

乙嫁語りの舞台の一つでもある。
www.mofa.go.jp

「乙嫁語り」という漫画をご存じでしょうか。この漫画は第7回マンガ大賞(2014年)にも選ばれた,森薫さんが描く人気作品です。物語の舞台は,19世紀後半の中央アジア・コーカサス。ストーリーの素晴らしさもさることながら,この地域の文化や風習などを,丁寧に描いていることでも人気が高く,私たちが中央アジアの国々を知る,ひとつのきっかけともなる作品です。「中央アジア」とは,ユーラシア大陸の中央部,カスピ海の東側にある,ロシアと中国とアフガニスタンとイランに囲まれた5か国(カザフスタン,ウズベキスタン,キルギス,タジキスタン,トルクメニスタン)のことを指します。これらの国々は豊富な天然資源を有し,雄大な自然のもとで,独自の歴史と文化を育んできました。