例年「蚊に刺されたら温めろ」という言説が流れるとのこと
今年も『蚊に刺されたら温めろ』とデマが流れる季節になりました。
— やさしい皮膚科医 (@S96405539) 2021年7月8日
例えばクラゲに刺されたら、毒を失活させる為に暖めるのが一案。
しかし、蚊に刺された後の症状はアレルギー。
暖めるのは悪化リスクが高いです。
SNSの健康情報はほぼデマなので、無根拠の情報を拡散しないようにお願いします🙏 https://t.co/MNHpcJK5LZ
オコゼの他にも、エイ/ミノカサゴ/ゴンズイ/ギギ等の魚の毒による痛みは、温めると改善します!
— やさしい皮膚科医 (@S96405539) 2021年5月31日
一方、
『蚊に刺されたら温めろ!』
という情報が毎夏出回りますが、こちらはデマなので注意😣
蚊に刺されて腫れるのは『毒の影響』ではなく『アレルギー反応』。
こちらは冷やす方が良いですね😌 https://t.co/qjHHsFAtAT
「虫に刺されたら温めろ」は根拠が弱いという指摘
虫に刺されたときは冷却が基本です。知覚神経の感覚を鈍らせ、血管収縮で毒成分の拡散を遅らせることが目的です。一般的には冷やすことが多いと思いますが、「温める」とよいという話題が出ています。その根拠はおそらく10年前の論文です。ムカデは温熱療法が効果的という論文で、毒成分が熱で(続) pic.twitter.com/fYC5aNrNcP
— 教えてドクター佐久@無料アプリ配信中♪ (@oshietedoctor) 2020年6月10日
変性するのではと考察しています(鈴木一年ら 皮膚臨床52:1182,2010)。しかし実際に毒が熱で変性するという科学的根拠は分かっていません。効果的という論文はほかには見当たらず、逆に蛾(ヒロヘリアオイラガ)の幼虫による刺傷に対し、保冷剤を用いた冷却と43度前後の湯を用いた症状を比較(続)
— 教えてドクター佐久@無料アプリ配信中♪ (@oshietedoctor) 2020年6月10日
しても翌日の腫れの程度には変わりがなかったという実験から温めても抗原性は変わらないのではとの報告があります。(夏秋優 日本医事新報4620,2012)
— 教えてドクター佐久@無料アプリ配信中♪ (@oshietedoctor) 2020年6月10日
虫さされ部位を温めることに対する懸念は毒成分に対するアレルギー反応です。たとえばムカデはハチ毒との交差反応性も指摘されています。温める(続
ことで血管が拡張し、有毒成分が体内に広がりやすくなる可能性があります。これはアレルギー反応の点からマイナスの可能性もあり、安易に推奨できません。
— 教えてドクター佐久@無料アプリ配信中♪ (@oshietedoctor) 2020年6月10日
総合的に考えると、ムカデ以外の虫さされも基本的に冷却でいいのではと考えます。
ちなみに、話は逸れますが温水での処置が効果的なものは(続)
ないわけではなく、それはクラゲやウニ等の海洋生物です。30-60分間温水に浸すことで痛みが軽減するとされています(JS. Keystone. Travel Medicine 3rd edition,464-465)。
— 教えてドクター佐久@無料アプリ配信中♪ (@oshietedoctor) 2020年6月10日
虫さされの予防と対応方法は私達のフライヤーにまとめています。PDFデータはこちらから。https://t.co/MDfqXCelt7
上記ツイート内で紹介されているフライヤーのPDFファイル
教えてドクター 虫刺され(PDF)