時間が短く、かつ、基本的に安全側に行動方針を向けて欲しいとなると、「脅す」のが効率よくなっちゃうよね。
以前、TBSラジオの東京ポッド許可局でサンキュータツオさんが「体罰」についてうまく説明していたので転載。
■ビンタは時短のための強制終了ボタン―――
今度はビンタの効果についても掘り下げ。10年以上、小学生にバスケットボールの指導をしていたタツオ局員が、体罰的なもののある種の「便利さ」について、指導者の立場から話しています。
- タツオ:単純に時間の問題かな?って思ってたの。ビンタってもう強制終了。時間の節約。っていうのはさ、僕は小学生にずっと、12年ぐらいバスケットボールを教えていたわけ。で、やっぱり小5、小6ぐらいになると、もう言うことを聞かなくなるわけ。
- マキタ:特に女子とかね。
- タツオ:女子はもう本当に言うことを聞かなくなる。で、そういう時にどうすれば問題が早く解決するか?っていうと、恐怖政治ですよね。で、大声を出して言うことを聞かせる。あとはキャプテンのせいにするとか。規律を守るために、まずロジックを説明して。「みんなの責任はこの人の責任になります」っていう。
- マキタ:血祭りにあげるところをちゃんと決めておくわけね。
- タツオ:それをしてビンタするって最短の解決の仕方というか。自分が行きたい状態まですぐに行ける麻薬みたいな。一本そこは張っておいて、すぐに理想の静かな状態に持っていくような強制終了ボタン。だけど、その強制終了ボタンがなかった場合、割と言葉を尽くして話を聞いてもらって。しかも相手がわかるように変換しなきゃいけないっていう、結構な手間と時間を要するんですよ。それは、とても難しいことですよ。
- マキタ:そうだね。
- タツオ:「今、この場ですぐになんとかしなきゃいけない」っていう時にそれ、どうしたらいいのかな?っていうね。でも、そうしたことが求められている時代になっているんだよね。
恐怖に限らず「心を動かす」ことは時間節約のために使われやすい(短時間で場当たり的な効果がでやすい)。対処療法的には、情報モラルについて適切な講師を呼ぶことが重要だけど、本質的には時間をかけることを許す環境を整備しないといけないのだと思う。学校へのニセ科学の浸透と根は一緒かなぁと。