大学受験時の保護者同伴についてメモ

朝のニュースで東北大学前期日程入試のトラブルを聞いて「はぁ?」と思ったのだけど、良く考えたらしょうがないかなと。

 国公立大学の2次試験の前期日程が25日、全国で始まった。仙台駅では東北大に向かう臨時バスに受験生と一緒に乗る父母が増え、そのあおりで乗り切れない受験生が続出。東北大は試験開始を30分遅らせた。

 東北大などによると、午前10時から外国語の試験を予定していたが、午前9時半ごろになっても、仙台駅では300人ほどの学生らが東北大行きのバスを待っている状況だったという。東北大は試験開始に間に合わないと判断し、開始を30分遅らせた。

 市バスを運行する仙台市交通局によると、仙台駅から東北大に向かう臨時バスが大混雑。受験生と同乗する父母が例年よりも目立った。やはり東北大と結ぶ定期運行のバスに父母を誘導したが、そちらも満員になってしまったという。(福島慎吾)

はてなブックマークコメントによると、当日大学生協主催の保護者説明会があり、それが直截の原因ではないかというもっぱらの噂。

大学当局と大学生協は別個の組織なので(というか、大学は部局が違えば支社 or 営業所が違う感じ)、双方に情報が行き交っていなかった可能性がある。で、Googleで調べてみると東北の大学生協のいくつかは入試日説明会を実施しているみたい。東北大学はわからないけど、他大学は昨年度も実施しているとのこと。

良く考えてみると、大学生協が「よし、前期入試のときに保護者を呼んで説明会しよう」といきなり決意するわけはなく、そもそも、前期入試や後期入試の際に保護者が大学に来ている or 大学近くまで来ているという事実があるので、「どうせ、待っているだけなら一緒に説明会したほうが保護者にとっても良いのでは?」と判断したと考えるのが自然。

で、そもそも前泊が必要な入試のときに親が同伴するかどうかを検索してみた。するとベネッセのアンケートが見つかった。

アンケート期間:2013/10/02〜2013/10/08 回答者数:202名
アンケート対象:一般入試で宿泊を伴う大学受験をしたことのある、現在大学生・大学院生のお子さまをお持ちの保護者
〜中略〜

<同伴はしたほうがいい?>
宿泊の同伴について伺ったところ、女子では半数、男子でも4割近くの保護者が同伴した、と回答しました。理由は「1人だと何かと心配なので」「1人での宿泊には不安があるので」といった、我が子が目の届かないところでしっかり行動できるか、という不安感。また、「知らない土地で迷ったり失敗したりすると不安なので」「都会での移動に不安があったから」といった、慣れない土地での行動をサポートして受験に集中させてあげたい、という親心あふれる意見が多く見られました。

ただ、「父親と同室だったため、いびきがうるさかったそうです」という声も……。同伴してほしいかどうか、する場合は誰が同伴するのかなど、お子さまとよく話し合っておいたほうがよさそうです。

2008年の神戸新聞の記事を転載しているブログもあった。つまり、5年前から結構当たり前の話であったということ。

遠方からの「受験宿泊」に詳しい旅行社によると、一人で受験する「シングルルーム派」六割に対し、親同伴で受験する「ツインルーム派」は四割に及ぶという。試験前日の下見から、合格を見越した部屋探しまで親が付き添う。

もちろん、こういうニーズがあるならば資本主義社会では供給する側がでてくるのは当然のこと。

また、受験パックのホテルや宿では、受験当日のお昼のお弁当を用意してくれるかどうか、
電気スタンドがあるかどうか、コンビニが近くにあるかどうか、さらにシングルやツイン、ダブルだけでなく
3人泊まれる部屋のあるかどうか
なども、わかるようになっています。
いろいろ丁寧に書かれた受験生向けの宿のパンフレットは、ありがたいですね。

さらにJTBは旅行代理店なので、受験の宿の予約と同時に電車や新幹線、飛行機などの
往復切符予約もできます。

通常は、JR切符などの場合は1ヶ月前、航空券のチケットは2ヶ月前からしか発売しないのですが、
JTBではそれ以前でも予約を受け付けてくれます。さらに「学生割引き乗車券」は、JTBを通さなくても
学生なら利用できるのですが、JTBの「受験生の宿」パック利用の場合、受験生に同伴する
保護者などの方も
、一部の地域ではJRの運賃が2割引き(または1割引き)になります。

自分が大学生のとき(90年代後半)を考えれば「何も親が来ないでも」と思うのだけど、「一度は息子/娘が通う大学がどういうものか見てみるか」という考えと「受験に失敗したら大変だ」と「万全の状態で受験させてあげたい」という思いが重なると、「大学の下見&子供のサポート」を同時に満たす保護者同伴泊まり込みというのは結構合理的な行動であると思う。

少子化の進行&大学進学率の向上により、従来は大学にこなかった「危なっかしく思える子」が大学に来ているというのもあるだろうけど、さらに考えて「受験の失敗がいろいろな意味で許されない」という考えがあるのではないかとも思う。というのは、まわりがみんな現役合格するので。

以上のことを考えると「子離れできていない」と無下にも言えないかなぁと。受験生に迷惑かけないかぎりは保護者が受験に付き添っても、まあ、しょうがないのではないかと。

追記(2014/03/12):付き添いの保護者が問題ではないのでは?

以下の検証記事がでていた。