ホテルに帰って調べるまでは70%ぐらい騙されたかなと思ったけど、ネットで調べたら全く同じ流れの話がたくさんヒットしたので100%騙されたのだと思う。前回も上海でお茶をお土産として購入したときに後悔したのに、成長しない私。
他の方の体験談
- 茶道 体験と称し 高額を請求される(詐欺商法)
- ケロ彦のYosemite national parkへの道:上海の人民広場で、お茶詐欺にあう
- 旅行者のための上海安全情報:頻発中の中国茶詐欺の手口とは? 旅行者が実際に遭遇した被害をケース別にご紹介。
- 人は生まれて、愛して、死ぬだけ 2:上海 お茶詐欺
でも、めっちゃ演技が自然だった。お茶の説明も非常にうまかったし、アフタートークのお散歩でのおしゃべるもどこまで演技でどこまで本気トークかわからなかったけど、いろいろと知ることができて、正直面白かった。がっかりしたような、まあ、いっかというような。
でも、他の日本人のみなさまには申し訳ない。完璧なカモとしてふるまってしまいました。
被害総額
- お茶の飲み比べ&お茶お土産代:1,700元
- 散歩の後のコーヒーおごり:20元
設定
- 男性と女性の二人組
- 麻雀仲間で西安から4人組で上海に旅行に来た
- 1週間の滞在予定
- 4人のうち二人はカップルで別のところに行っている
- 男性は上海に2度目の訪問、女性は初めての訪問
騙された流れ
- 上海の南京東路を歩いていたら二人連れ(男&女)から写真をとるのを頼まれる
- 写真をとってあげたら、英語で「台湾人か香港人ですか?」と尋ねられたので、日本人であると答えたら、非常に流暢に日本にいる友達の話を始める
- 3分くらい立ち話をしたあと、暑いのでお茶を飲みにいかないかと誘われる
- 茶館に連れていかれる
- 茶館に入ると今まで話していなかった男性が非常に流暢に英語&漢字を使って説明してくれる。とても見事で面白かった。
- まず、数字を選べという。それぞれの数字に意味があるのでそれを説明してくれる。
- 次に、対応するお茶のメニューを見せてくれる。値段が書いてあり「この値段だけど大丈夫?」と聞いてくれる
- すると、次々とお茶が説明とともにふるまわれる。人参ウーロン茶(高麗人参とウーロン茶を混ぜたお茶)、鉄観音ウーロン茶、果花茶(ドライフルーツと花のお茶)、紅茶(中国では紅茶はBlack teaと説明される)、そして「福建省武夷山で猿に摘ませたというお茶。お茶請けとしてかぼちゃの種となんかのナッツがでる。女性がわざわざかぼちゃの種を割って中身だけくれたりする
- 女性の方から、茶道の実演は北京や上海などの大きな都市でしかやらないので、ぜひ、参加したかったというコメントが途中に入る
- メールアドレスの交換なども行う。
- 一通り飲み終わった後、2つお茶を選べと言われる。なんとなく「やばいなぁ」と思ったのだけど、心弱く「おいしかったをお土産にすればいいか」と選んでしまう。
- 途中、お湯を注ぐとカップに書かれた龍の色が変わるカップが披露される。そして、男性の方が「今日であった記念にカップを送りたい」と言い始め、押し切られる。
- 実際の会計の段階で3,200元。割り勘になることに(本当はここでおかしいと思わないといけなかった。3人組なのに2人で割り勘って。しかも、プレゼントと言っていたカップ代も割り勘対象に入っている)。
- 手持ちがないので「カードで払いたい」というと「カードは使えない。近くにATMがある」と言われる。たぶん、この詐欺が有名になったので、カード支払いだと後日カード会社に連絡して支払いを停止することがあるためだと思われる。
- お金をおろした後「中国は悪い人がいるから気を付けて」と念入りに注意される。今、思うと、お前が悪い奴だろうと思ってしまうけど、とってもうまい演技だった。
- 店の従業員一名と二人組の女性が付き添いでATMまで案内してくれる。お金の下ろし方も女性に教えてもらった。実は人生で初めてのキャッシング(笑)。
- 1,700元(2万円強)支払ったら、おまけに扇子をくれた
- その後、今後の予定を尋ねられ、特に予定はないと答えると「外灘に行きたいのだがどうですか?」と誘われる。
- 私も外灘に行きたかったので一緒に行く
- 途中、西安と上海の違いや、日本と中国の政治的関係、東日本大震災および四川大地震の話をする。
- 外灘についてもあんまり観光しない(一つ一つの建物で写真撮影したりしない)ので、ちょっとおかしいなぁと思いながらも、二人の面白い話に引き込まれ一緒に観光する。
- 夜の予定を尋ねられ「ちょっと危ないな」と思ったので17:00にホテルに帰らないといけないというと、彼らは夜にサーカスを見に行くと言う。
- そして、「泰康路を見に行くけど一緒に行かないか」と誘われ、一緒に行く。タクシー代(20元ぐらい)は二人組持ち。
- そして、泰康路につくと、男性がサーカスのチケットを取らないといけないので、ここで別れて、あとは女性と私で観光してくれと言い、別れる。私はまったく不審に思わず観光する。
- 小一時間ほど観光。女性に合流はいつするのかと尋ねると何かあいまいに答える
- 暑かったのでカフェに入って待たないかと提案すると(14:00ぐらい)、「15:00になったら、合流しに地下鉄に乗っていく」という
- カフェで小一時間ほど雑談をする。私はめっちゃ面白い時間をありがとうと感謝を述べまくる。実際面白かった。
- 中国の地方都市出身者は、日本に遊びに来たくてもビザがとれない(かわいそうだったので、京都や奈良の写真集を送ってあげると申し出てしまった)
- 中国はコネ社会なので、金持ちや役人にコネがないといろいろと不便
- コツコツと中国政府批判&日本と中国は友好的でいようねアピール。
- 中国の地方都市(彼女は西安の近くの村出身と言っていた)では、女性は20歳過ぎで結婚が奨励され、25歳以降も独身だと非常にうるさい(家に帰るたびに母親から結婚しろ、結婚しろと言われるから嫌だと言っていた)
- 中国の地方都市だと、結婚したら女性は働くものではないと考えられており、仕事を続けることに親が干渉して嫌とのこと
- 中国では仕事を変えるのは当たり前、日本の就職したら同じ会社で10数年働くというのは信じられないとのこと
- インドネシア、マレーシア、タイは比較的ビザが出やすいので、10月にタイに行く予定とのこと
- その他、いろいろと雑談した。
- 15:00にカフェをでて別れる。
- 別れた後、すぐに「やっぱり、騙されたよなぁ」と考えながら、上海Expo跡地を目指して散歩した。
- ホテルに帰ってきて、ネットで調べて「やっぱりそうだよね」と確認する
敗因
- 日本人を騙しにかかるときは日本語を使うという先入観があったため、英語を使っていることに安心してしまった
- 全般的によく勉強している。日本のニュースもきっちりチェック済み(野田総理、枝野元官房長官、管元総理、小泉元総理や尖閣諸島の話や南京大虐殺の話も尋ねられた)。
- ところどころ「あれ?今、騙されている」というポイントがあったが、お茶を買うのと関係ない話題が豊富&小道具(観光用地図、中国版Facebookでの日本にいる友達の写真など)により、「あれ、でも違うかも」と適宜戻された
- お茶屋さんを出たあとのフォローも万全。カモ1匹に3時間ぐらい使っていて元はとれるのだろうか(もちろん、取れると思うけど)
- 結局、1,700元という額であっても2万円強なので「勉強代」と自分に言い聞かせる余地があった
感想
100%騙しとわかった上で感じたのが「これがキャバクラというものか」ということ。私の好みタイプの女性ではなかったけど、いろいろと話ができたのは正直楽しかった。とても、おしゃべりな女性だったので、こちらも間を気にすることなくおしゃべりできた。今回、騙されたことにより、キャバクラ行く人の気持ちがかなりわかった。
あと、男性のお茶の解説のうまいことうまいこと。あれは熟練の技だった。日本で茶道の解説員として店をたてれば、お茶の試しのみ&解説で一回6,000円でも結構需要がありそうな気がするほどの見事さ。もし、男性がアフターフォロー役だったら、彼のトークで別のものを買わされていた可能性があるほどのうまさ。風貌は荒俣宏風だったので(女性曰く27歳とのこと。30代中盤〜後半の風貌だった)、まさかこの人が騙すとはとという感じだった。
あんなに英語ができて、あんなに会話がうまい人たちなのに詐欺まがいの仕事しないといけないとは、二人組の女性が言っていたセリフ「中国は貧富の差がすっごく激しい。上海は本当の中国じゃない。お金持ちの街だ。」「中国は不公平だ。大都市で働きたくても働くためのIDが取れない」というのがそのとおりなのだなぁと思った。
うん、騙されたのにあの二人がそれほど悪く思えない。彼らはプロで私はまごうことなきカモだったという感じ。私は今後も騙されそうだ。気を付けよう。
追記:メールが来ました
二人組の女性側からメールが届きました。律儀な詐欺師だ。
Hi. ***。 It was very nice to meet you today.We had a great time together,very nice experence for me. You are really a nice person,very kind . Best wishes to you and lookforward to see you again! Take care of yourself !
「私は昨日のイベントからいろいろなことを学びました。あなたが、いろいろな国を訪問できること、また、あなたが自立し続けるために他の職を得られることを願っています。」と返事した。
追記2:中国茶詐欺を行う中国人女性とのおしゃべり記録
追記3:「詐欺」かどうかについて
このエントリーで「詐欺」という言葉を使ったのは「上海 お茶」まで入力したらGoogle先生が「上海 お茶 詐欺」を候補に出してくれたからです。詐欺でも、ぼったくりでもどちらの言葉を使っても構わないと思います。たぶん、正確に言うならば「カモられた」がもっとも適切な用語だと思います。
コメントやはてなブックマークのコメントをみて、「詐欺」という言葉を使ったので、騙された私に落ち度はなく、騙したあいつらが悪いという主張をこのエントリーでしているのだと解釈されていると理解しました。特にそういう意図はありません。どちらかというと「俺は騙されない」と調子こいていたなぁと自分の方がダメだったなという気持ちです。