リンク:「ICO」と「ワンダと巨像」のリマスター版を迎えて。上田文人というゲームデザイナーは,何を考えて作品を創るのか――日本が誇るゲームデザイナーがみっちり語る2時間

ICOをクリアして感銘をうけて、ワンダと巨像は1体目の巨像で「理不尽だ!」と感じて投げた自分にとって、たいへん面白かった。

あの独特の雰囲気が理詰めでできているというのは面白い。印象に残ったところを抜粋。

エンターテイメントはプラスになるものでありたいという話。

プラスになるといっても,英単語が覚えられるとかそういう意味ではありません。例えば……そうですね,例えば今回PS3版の「ICO」「ワンダ」の発売がありましたけど「そういえば今週はICOとワンダが出るからがんばろう」とか思ってもらえるのもそうですし,ゲームをプレイして,終わって,ちょっと気持ちが前向きになったとか,そういうものでもいいと思います。

明日からまた真面目に学校行こうと思ってもらえるとか,そういうものじゃないと――最低限そういうものじゃないといけないと思うんですよ。

以下にうまく錯覚させるかという話。私の好きなチューリングテストの話題に似ていてとても面白い。

4Gamer
上田さんのおっしゃる「リアリティ」についてキチンとお聞きするべきかとは思いますが,たぶんそういう理由だと思います。もしかしたら3Dアクションという構図が単に理解しやすかっただけかもしれませんが。

単にリアリティっていう言葉だけ聞くと,なんだか写実的な何かを想像しちゃいますけど,そういう意味じゃないですよね,もちろん。

上田氏:
ええ。結局,創作物っていうのは錯覚ですよね。いかに錯覚させるかということです。ですから,錯覚のさせ方が上手に出来たっていうことですかね。

例えばホラー映画を観に行っても,それなりの年齢になれば「一切自分に危害が加えられない」ことくらい分かってるわけですよね。画面から何かが飛び出してくるわけはないですし。それでもなお「怖い」と思うのは,それは錯覚ですよね。

ICOはとっても面白い不思議なゲームだった。ゲームをとても堪能した。後半になるにつれてICOくんのけなげな頑張り(実際には私が操作しているんだけど)がとってもかわいそうでなんともいえない気分になった。あと、ヨルダちゃんのなよなよっぷりが「女の子!」って感じだった。

むりくり手をひっぱられてちょっとバランス崩すところも、小学生に手をひかれて困っているお姉さんという風情。ICOくんの無邪気さ故の裏返しの残酷さがちょっと見える演出だった。アクションゲームというよりはパズルゲームなので、理不尽さが少ない(自分にいらいらしない)点もよかった。

ワンダと巨像はうまく登れないのを何度も繰り返されるのがいらいらする。そして、カメラがぐりぐり切り替わるので気持ち悪くなる。雰囲気は良いのでなんとか遊びたいけど。