なんという好事例。情報リテラシーの教材として素晴らしい。
前提知識
行動ターゲティング広告とUDID
事業者の心得(悪徳商法マニアックスの過去ログより)
私は「事業者には冷たいレス屋」として知られています。それは、事業を営む以上、自分がお客に対して様々な契約を勧
める立場でもある、つまり「契約のプロ」という事を認識して欲しいんですね。そのため、たとえ買う商品のプロでなくとも「契約のプロ」である誇りを持って、「こういう契約紛争が生じたらどうなる」くらいは基礎知識として持っていて欲しいわけです。事業者がそういうプロの意識できちんと正しい契約紛争の解決を知っている事で、消費者や取引先はその事業者から安心してものが買えるのでは無いでしょうか?事業者の方から契約紛争の「いろは」の様な質問を受けるとガックリしてしまって、ついつい冷たいレスになる面があるのです。
私の理解
- ブレイブソフトがNEWS AGENTの対象として、虚構新聞にiPhoneを作らないかと呼びかけ
- 虚構新聞がそれを承諾し、記事更新は虚構新聞、アプリ開発&広告配信の仕組みはブレイブソフトの形で役割決定。広告収入は虚構新聞とブレイブソフトで分ける
- 「虚構新聞」iPhone版でUDIDを取得し、それをAPP Trackerとアドネットワークアイモバイルに送信していることが指摘される(iOS AppでUDIDを詐取するEvilな会社たち(その6) ブレイブソフト&虚構新聞篇の「パケット解析」を参照)
- 虚構新聞の筆者はUDID収集していることおよびの収集していることの問題点を理解していなかった様子
- 「【社主】先のアプリの件で、執拗に僕のことを「嘘つき」呼ばわりする人に付きまとわれているのだけど、記事提供者が詳細なアプリの仕様まで全て把握してなければいけないものなんでしょうか。記事の内容について「嘘つき!」って言われるなら、むしろ褒め言葉なのですが。」
- 「【編集部】本紙アプリにおいて、本紙の役割は名称使用と記事使用を許可するのみの契約であり、アプリの仕様などについては関与していません。また本紙からアプリ制作を依頼・委託したのではなく、同社からの申し出により契約したものであります。」
- 「【編集部】アプリ制作に関与していないとは言え、本紙名称を使用したアプリであることは確かですので、この点、利用者の皆様にご不安を与えたことについて、改めておわび申し上げます。まもなくUDIDを取得しないアップデート版がリリースされる予定です。」
- UDID収集について問題視している人たちは厳しく追求
- UDID収集について問題視していない/知らない人たちは基本的に虚構新聞の筆者がからまれていると認識し、追求している人を批判
- ブレイブソフトからのプレスリリースがでる当社のアプリにおける個人情報の取得について
論点
- UDIDの収集を問題視するかしないか
- 問題視するならば「よりプライヴァシーに考慮した代替手段があるのに使わないのはソフトウェア開発会社として不誠実である」
- 問題視しないならば「そんなに熱くなるなよ!」
- ソフトウェアについて詳しいかどうかわからない人にいきなり専門用語まじりの詰問調で問いかけるのがよいのかわるいか
- 良いと考えるならば「コミュニケーションについて問題はない」
- 悪いと考えるならば「指摘している点は正しいけど、あの言い方ではわからないし、対応できない」
どうみればよいか
感想
ラッセンの絵を使って勧誘販売をしているかのような風情。今回の虚構新聞とブレイブソフトのような事例は今後増えていくように思う。行動ターゲティング広告を目的として、データ蓄積媒体としてのコンテンツクリエーターをくどくというような話。