「〜について納得する(できない)」「〜についてわかる(わからない)」は、人によって意味がそれぞれなので、自分にとって「納得する・わかる」が何を意味するのかを早めに把握しておいた方が良い。
私なりの分析だと数学などの体系化された話において「納得できない・わからない」というときは、以下の事柄が混ざって認識されている。
- What
- 定義・定理が何を言っているのかがわからない
- なぜ、その定理が成り立つのかがわからない(定理の証明が理解できない/証明できない)
- How
- その定義や定理を与えられた問題にどうやって利用すればよいのかがわからない
- その定義や定理を現実世界の問題に対してどうやって利用すればよいのかわからない
- Why
- なぜ、その定義や定理を生み出す(用意する)必要があったのかがわからない
- どういう経緯でその定義や定理が用意されたのかがわからない
多くの授業の中心はWhat-1, What-2, How-1にある。なのでHow-2が説明されないと「納得した・わかった」と思わない人や、Whyが説明されないと「納得した・わかった」と思わない人は、授業を受けても授業の内容を「納得した・わかった」と思えない。
数学史や科学史、技術史の重要性はWhyを教えるところにあるけれども、専門分野の授業はあまり歴史には踏み込まない。
大学の専門授業で「納得できない・わからない」と思っている新入生のみなさまは「自分は何がわからないので納得できない・わからない」と認識しているのかを分析すると、適切なフォロー手段を見つけられると思う。
関連
- 数学の壁は2つある:私が数学でけっつまずいた話
- たくさんコメントもらっていた:上の感想
- 記号と意味を切り分けるのが苦手な人が数学・プログラミングが苦手:リンク集
- 「わからない」というワンフレーズを越えていけ:このエントリーと同じ話の簡略版
- 明日へつながる弱音の吐き方