大学院入試の面接ではこういうことはしないでね

志望動機を言うときにちょっと考慮して欲しいことでも書いたけど、自分でふっておいて、そこにつっこまれたときに固まらないように注意してね。

たとえば、日本ホメオパシー医学協会:朝日新聞等のマスコミによるホメオパシー一連の報道について その1 の以下の受け答えは、面接官に「あれあれ?」という思いを起こさせてしまう。

朝日新聞8月5日付 福井悠介、岡崎明子記者
?「元の物質の分子が残らないほどに希釈した水を含む砂糖玉が体に作用を及ぼす」との考えが科学的におかしいのは明らか。」

大阪大の菊池氏の発言として掲載されていますが、もしこれが事実としたら、研究もせずに、自分の持つ価値観、自分が学んだ範囲でのみ考えて結論を出し、頭から否定するというのは、科学者として頭が固すぎるといわざるを得ません。過去の歴史からも、未知のものを既知としていくところにこれまでの発見があり、発展があるということを学ぶことができるのに、そのことさえも認識されていません。
科学的な根拠に関しては、以下のRAHUK体験談の管理人のコメントが参考になると思います。
http://www.rah-uk.com/case/wforum.cgi?mode=allread&no=2329

多分、こう言われたら10人中9人が「なるほど、『元の物質の分子が残らないほどに希釈した水を含む砂糖玉』に異論があるんだな」と思います。なぜならば、水を飲んだら水を飲んだときの生理現象だけが起こるし、砂糖を摂取したら砂糖を摂取したときの生理現象だけが起こるとほとんどの人が思っているからです。同じ水なのに別の生理現象を及ぼすのならば、それは奇跡です。なので主張は「元の物質は微少だけど含まれている」なのだと類推するわけです。

ですが、次の発言

朝日新聞8月5日付 福井悠介、岡崎明子記者
?100倍に薄めることを30回繰り返すなど、分子レベルで見ると元の成分はほぼ残っていない

100倍希釈を30回繰り返した場合、10の60乗倍希釈となり、原成分はほぼ残っていないのではなく、1分子も全く、残っていません。

※約10の24乗倍希釈で原成分は1分子もなくなります。

で、「あれ?1分子もないの。じゃあ、『水を含む砂糖玉が体に水と砂糖を摂取したとき以外の作用を及ぼす』を本当に主張するの?」とびっくりさせられます。もし、この主張が通るなら、無闇矢鱈に熱中症対策に水分を摂取するのは危険です。その水がどういう経路で湧き出て、ボトリングされているかによって、体に及ぼす作用が異なってしまうからです。でも、そんなバナナ。ここ数年で熱中症対策で夏場の水分補給が推奨されていますが、水の副作用で調子が悪くなった人が大量発生しているという話は聞いたことありません。

以上のように、話の整合性は重要ですので、やりとりの局地的勝利にこだわらずに面接に望みましょう。