2700億円でもう一つノーベル賞作っちゃおうよ

ノーベル賞級の研究業績を出すために2700億円使うのを止めて、日本にもノーベル賞作って受賞チャンスを2倍にしちゃうっていうのはいかがでしょ?

ノーベル財団の予算規模がどれくらいかしらないけれども、年間100億円あれば毎年の選考〜授与式、賞品まで十分回せるんじゃないかな?2700億円あれば、27年間この賞を続けることができるから、伊東 乾さんの提言どおり、この日本版ノーベル賞を一つの外交手段としてアジア、ラテンアメリカ、アフリカ地域の科学界の覇権を狙いにいけばよいのではないかと。

日本の有利な点は以下のとおり。

  1. 賞のプレゼンターとして、歴史ある天皇家が存在する。
  2. 授賞式の開催場所として、京都を利用できる。可能なら二条城 or 京都御所で授賞式をしたらよいのではないかと
  3. ノーベル賞受賞者も多数いる。日本版ノーベル賞選考委員会のコアメンバーとして活躍を期待できる
  4. 宗教的ニュートラルな位置づけなので、非キリスト教圏に大して遠慮なく授与できる
  5. 外国人 or 日本人という対立軸しかないので、日本人以外は全員外国人として区別なく授与できる(非ヨーロッパ系もどんとこい)
  6. アジアの一部という位置づけから、アジア優先にしてもノーベル賞とバランスしているんだよねということで大目に見てもらえる
  7. 非ヨーロッパ系国という位置づけから、ラテンアメリカやアフリカ優先にしてもノーベル賞とバランスしているんだよねということで大目に見てもらえる
  8. 政治体制的に中国が賞を出しても諸外国は信用しにくいが、日本なら一応民主主義国なので納得してもらえる(中国が民主化する前にさっさと賞を設立するのが肝要)

コンセプトはノーベル賞の補完なので、ノーベル賞が受賞対象としない分野にも賞を出すのが良いと思う。特に数学、計算機科学、芸術分野ははずせない。理想は、世界の科学者や技術者たちが納得するようなうまい人を選考すべきだけれども、いきなりそんな選考は難しいと思うので賞金額でインパクトを与えるべき。ノーベル賞が賞金1億円なので、どーんと3〜5億円だしましょ。年間予算は100億円だから大丈夫。

既に日本にはある程度歴史がある京都賞があるので、これに予算と人材をコミットする形で発展させてはいかがか。名称は京都賞のままか、天皇杯がよいのではないでしょうか。

これから期待の新人を見出すという趣旨(フィールズ賞みたいに)なら、賞金の代わりに講座を5年間設立してあげちゃうというのもありかも。伊東 乾さん曰く、教授、准教授、助教がフルセットの1講座を1年間維持するのに必要な予算は8000万円くらいとのことなので、一人5億円の賞金で5年間講座を維持できる。こういうスタイルにすれば、何人かの優秀な人材が日本を拠点として研究してくれるかも。

英訳でemperorとできる人材を保有しているのだから天皇陛下に活躍していただこうよ。第二次世界大戦の経緯もあるけど、天皇陛下に賞を授与してもらったら結構うれしいんじゃないかと思うんだ。オリエンタルな雰囲気も十分提供できるし。

追記

id:bn2islanderさん、id:takeishiさん、id:kyo_juさん、id:MarriageTheoremさんにご教示いただきましたが、天皇陛下がプレゼンターである日本国際賞という賞があるそうです。全く知りませんでした。

id:MarriageTheoremさんが、特徴をまとめてくださいました。

id:bn2islanderさんが日本国際賞を受賞したGoogleの副社長Vinton G.Cerf氏のコメントがかかれているエントリーを紹介してくださいました。

YouTubeで授賞式の様子も配信されているようです。

社団法人世界貿易センターのコラム日本の高額国際賞(PDFファイル)を見るといろいろと賞があるんですね。

京都賞」は京都の稲盛財団により昭和60年(1985年)に創設。この財団はその前年の4月に稲盛和夫氏が私財を投じて設立したものである。賞金額5千万円の賞が毎年3件、先端技術、基礎科学、思想・芸術の3部門を対象に、世界の科学文明の発展、また精神的深化・高揚の面で著しく貢献した人びとに贈られる。賞創設から2008年まで24年間の受賞者は国籍別に北米35人、ヨーロッパ30人、日本12人となっている。累計77人の受賞者のうち5人がそのあとノーベル賞を受賞している。
日本の高額国際賞(PDFファイル)より)

日本国際賞の創設から2008年まで24年間の受賞者は、国籍別に米国31人、日本12人、英国7人、フランス5人、ベルギー、ドイツ各2人、その他7人(スウェーデンポーランド、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドイスラエル、インドの各1人)。なお累計66人の受賞者のうち、8人がそのあとノーベル賞を受賞しており、1人(江崎玲於奈博士)がノーベル賞を受賞したあとにこの賞を受賞している。
日本の高額国際賞(PDFファイル)より)

ブループラネット賞創設から2008年まで17年間の受賞者は国籍別に米国15人、ヨーロッパ11人、その他8人(カナダ、オーストラリア、インド、中国、ベトナム、日本、インドネシア、ブラジルの各1人)であった。
日本の高額国際賞(PDFファイル)より)

コスモス国際賞創設から2008年まで16年間の受賞者は国籍別に米国4人、英国4人、フランス2人、中国、日本、メキシコ、インド、ベトナムの各1人とエクアドルガラパゴス島にあるチャールズ・ダーウィン研究所(2002年に個人以外の最初の受賞者として受賞)。
日本の高額国際賞(PDFファイル)より)

賞創設から2008年まで過去24年間の受賞者は国籍別に米国12人、英国6人、日本3人、オーストラリア、シンガポール、オランダ各1人。
日本の高額国際賞(PDFファイル)より)

高松宮殿下記念世界文化賞創設から2008年まで過去20年間の受賞者(計104人)は国籍別に米国22人、フランス14人、英国13人、イタリア9人、日本9人、ドイツ8人、スイス5人、ロシア5人、インド3人、ポーランド2人、スペイン2人、イスラエル2人、スウェーデンオーストリア、カナダ、オランダ、ポルトガル、ブラジル、韓国、イラン、アルゼンチン、無国籍、各一人。
日本の高額国際賞(PDFファイル)より)

ここいら辺の賞の選考委員会や選考方式、賞の名前を維持したままで授賞範囲をかぶらないようにし、日本ブランド化したらいいんじゃないでしょうか。受賞式の日程を文化週間とでも銘打って2週間ぐらいにまとめるぐらいならば調整可能では?京都賞とブループラネット賞以外は天皇・皇后両陛下の列席がもともとあるみたいだし。ただ、自然科学を授賞範囲とする賞については実績ベースで考えると自然に北米とヨーロッパ系の受賞者が多くなるので多少の考慮が必要だと思う。