はてなブックマークの二つの使い方:コメントポータルサイトと共有ブックマーク

idコールされましたというメールがはてなメッセージから届いているのだけど、どうも、はてなブックマークで「id:ユーザー名」という文字列を含んでいるコメントがあると発生するものらしい。

私の認識では、はてなブックマークのコメント欄は備忘録の位置づけだったのだけど、このidコールという仕組みを使っている人がいるのを見て理解した。人によってはコメントポータルサイトとして機能している。

共有ブックマークとしての「はてなブックマーク

私がはてなブックマークを使っている理由は、使用していたPCが3台あり、その3台をそれぞれデュアルブートしていたので、総計6つの環境においてブックマークを共有させたかったため。この用途からするとはてなブックマークは自分だけが共有対象なので、プライベートモードで十分だった。

共有ブックマークとしての「はてなブックマーク」のユーザーの多くは自分自身との共有を行っている人が多いのではないかと思う。私のように複数環境上での自分や過去と現在、未来の自分との共有とか。ソーシャルブックマークには検索機能があるため、ブラウザに付属のブックマーク機能よりもはるかに使い易いのも利用する一つの要因だと思う。このようなユーザにとって、コメント欄はまさに備忘録。私のように言及したいページに関してはブログで言及してしまうタイプにとっては、タグがあれば十分備忘録としての役割を果たせるので、コメントしなくなる人もいるように思う。

コメントポータルサイトとしての「はてなブックマーク

はてなブックマークの利用者を悪く言う言い方に「安全なところから文句を言う」というものがあるが、それだけの理由では、こんなにはてなブックマークのコメント欄をブログのコメント欄のように使う人がいる理由は説明しきれないと思う。やはり、何らかの理由で手間が削減できていると考えるのが自然だと思う。

常々、はてなブックマークのコメント欄でブックマーク元のページの筆者に向けたメッセージが書かれていることを不思議に思っていたのだけど(コメントで書くか、エントリーにあげてトラックバックすれば良いのにと思っていた。そのほうがメッセージを伝えたい相手の目につくし)、今回、そういう人が多い理由を理解できたように思う。

はてなブックマークのコメント欄にブックマーク元のページの筆者に向けたメッセージを書くと、後日、自分のコメントを簡単に探せるという利点がある。他人のブログのコメント欄にコメントを書いてもそのコメントを書いたことを何らかの方法でメモして置かないと、自分がどこのブログにコメントしたのかわからなくなる(ちなみに私は結構自分がどこのブログにコメントしたのか覚えていない)。でも、はてなブックマークならば、簡単にコメントしたエントリーを記録しておけるし、自分のコメントもすぐに探せる。また、コメント欄がないWebページにも、ブログと同様にコメントをつけられるのも一つの魅力だと思う。あと、コメント文字数の制限が100字というのも、マイクロブログとしてちょうどよい使い心地なのだろう。

このように考えれば、ファンタスティック・はてぶタワーでびっくりしたような多段階層ブックマークもコメント欄に文字数制限があるからああいう使い方を無意識にしているのではないかと考えれば説明できるように思う。

ちょっと前は、コメント欄がないWebページにもブログと同様にコメントをつけられるというニーズに対応していたのが、悪名高かった2chネットウォッチ板だったと思う。でも、2chネットウォッチ板の方法では、自分のコメントの統一的な管理ができない、また、ブログ全盛の今ではエントリーごとにスレッドを立てるのはあまりにも負荷が大きいので、コメントポータルサイトの用途に使えない。

まとめ

はてなブックマークのコメント欄において賛否両論があるのは、この共有ブックマークとしての使い方とコメントポータルサイトとしての使い方が共存しているためだろうと思う。これを分けたら、はてなブックマークの魅力は失われるけれども、はてなブックマークが気持ち悪いという感想は減るのではないかなぁ?

これからこういうサービスを提供する人は、インターネットとSNSの両方にまたがるコメントポータルサービスを用意するとヒットするかも。一定の要望があるように思えるので。