プレプリント、ポストプリント

著作財産権が出版社にある論文を機関リポジトリに登録したり、自分で公開したりする際に登場するキーワードがプレプリント(preprint, pre-print)とポストプリント(postprint, post-print)。恥ずかしながらこれらが何を示すのかしらなかった。

一般に査読付きの論文が公表(出版)されるまでには以下のプロセスを通る

  • 投稿:この段階の論文は、manuscript, draftと呼ばれる。一般に論文を投稿しただけでは論文を公表したとみなされない。
  • 査読:審査委員長を含め2〜3人の査読者で論文を査読する。新規性、独創性、雑誌・会議に論文の内容が適合するかどうかをチェックする
  • 通知:採択か不採択かを通知する。場合によっては条件付き採択という結果もある。雑誌の場合、査読者の意見に納得できなければ異議を申し立てることができる場合もある。
  • 正式版投稿: 査読者のコメントを反映させ、かつ、雑誌・会議が指定する形式に論文を整え、提出する。多くの場合、出版社側はフォーマット(見出しのフォントや表、図の形式、参考文献の形式)以外は修正しない。文章の校正は論文の投稿者が責任を持って行う。この正式版の論文はcamera-ready versionやfinal versionと呼ばれる。
  • 出版:出版社側がページ番号やヘッダー・フッターを追加し、雑誌、会議録、デジタルライブラリーにて公表する。

wikipedia.en:preprintによれば、preprintとは、manuscriptやdraft段階の論文を言うらしい。採択通知後の論文はすべてpostprintになるらしい。

なので、出版社や学会がpreprint版の論文を公開することを許可している場合は、投稿時の論文を公表することを許可しているという意味になる。