はてなブックマークの「お気に入り」の話

IPAX 2008の感想記が好評なので、調子にのって群衆の叡智サミット2008の感想記も書こうかと思ったけど、ちょっと気力がない。なので、はてなの伊藤さんが紹介されていたはてなブックマークの「お気に入り」の話だけ私と同様に知らなかった人にご紹介。

お気に入りはどんな機能かと言えば、はてなブックマーク注目エントリー人気エントリーが不特定多数の選択結果を集約した結果だとすれば、お気に入りは特定多数が集めてきたエントリーをピックアップする機能。具体的には自分が選んだブックマーカーがブックマークしたエントリーを一覧表示してくれる機能。

単純集計のソーシャル〜のお約束として、一番人気のあるものは一番当たり障りのないものになるという法則がある。今のテレビの番組編成しかり、ベストセラーしかり。はてなブックマークはてなブックマーク利用者のコンピュータリテラシーが高いのを反映して結構技術的な話題が人気エントリーに上がるが、揉め事や当たり障りのない雑学ものなどワイドショーネタに近いものがあがることも多い。

お気に入りは自分がブックマーカーを選択するので、そのような弊害(利点)を抑えることができる。

私の持論としては、情報が多くなればなるほど、我々は情報の精度や正確さ、真正性を気にせず、誰がその情報を発しているのかだけを気にするようになると思っている。すなわち、情報ひとつひとつを吟味するのではなく、処理の抽象度を上げて、情報の送り手(選び手)を吟味するのだ。だから、このお気に入り機能というのはうまい仕組みであると思う。情報を多くしようとすればするほど列挙される情報はワイドショー的になるので、お気に入りのブックマーカーは吟味したほうが良い。もしかしたら、はてなブックマークのリニューアルのときにはお気に入りブックマーカーを最大で30人くらいしか登録できないようにしたほうがむしろ良いかもしれない。

以上、ご紹介まで。