ありがちな学生のレポート

大学生が授業のレポートを昨日の夜に作成して提出しましたという感じだ。絶対、再提出レベル。

こうした統計データを踏まえたうえで、今回、Tech総研が行った調査を見てみよう。調査対象は、30〜35歳のエンジニア500人。学歴をみると、高校卒12%、高専・短大・各種専門学校卒17.4%、大学卒47.2%、大学院(修士・博士)23.2%となっている。

まず現在の税込み年収額について、33歳の人たちを例に比べてみる。33歳の平均年収は571万円。短大・各種専門学校卒が478万円と低い結果が出ているが、それ以外は、高校卒513万円、高専卒523万円、大学理系卒534万円、大学院修士理系卒673万円、大学院博士理系卒1300万円とほぼ学歴の順に高くなっている。前後する32歳平均、34歳平均でもほぼ同様な傾向が見られる。企業の新卒初任給は学歴別に構成されていることが多いが、その構造が30代半ばに至ってもほぼ継続しているという見方もできる。

33歳の大学院博士理系卒の平均年収が1300万円?素晴らしい、日本に新時代が来たみたい。というわけはない。何これ?上記の調査の表は以下のとおり。

DATA1 1000万円以上の割合がこんなに違う!エンジニア30代前半の給与分布

30歳 31歳 32歳 33歳 34歳 35歳
高校卒 443万円 544万円 496万円 513万円 545万円 616万円
高専 550万円 475万円 484万円 523万円 500万円 544万円
短大・各種専門学校卒 464万円 526万円 461万円 478万円 485万円 539万円
大学(文系)卒 430万円 452万円 614万円 535万円 533万円 624万円
大学(理系)卒 533万円 543万円 545万円 534万円 561万円 609万円
大学院修士(文系) - 450万円 - 617万円 480万円 -
大学院修士(理系) 586万円 592万円 648万円 673万円 682万円 722万円
大学院博士(理系) - 550万円 450万円 1300万円 800万円 750万円
全体平均 528万円 533万円 560万円 571万円 563万円 622万円

平均年収1000万円以上なのは理系博士の33歳だけ。32歳は450万で、平均年収のワースト3になっている。33歳をピックアップしたのは明らかに主張に都合のよいデータだったからじゃないの?

そもそも調査についての情報がこれじゃあ。エンジニア向け記事なのに…。

今回、Tech総研が行った調査を見てみよう。調査対象は、30〜35歳のエンジニア500人。学歴をみると、高校卒12%、高専・短大・各種専門学校卒17.4%、大学卒47.2%、大学院(修士・博士)23.2%となっている。

何を調査したくて、それを知るためにはどういう調査対象について何をしらなければならないのかがはっきりしていない調査なんて何の意味があるのかさっぱりわからない。500人に回答してもらったのはすごいけれども、まったくそれを生かせていない。

もっとデータを分析しないと意味がないのでは?

  • 同一規模(売上や従業員数)の会社における学歴による年収の差
  • 学歴によって、就職できる会社の規模(売上や従業員数)が変わることによる年収の差
  • 学歴と学歴ごとの就職率(就業者/就職希望者)の関係を考慮し、資質のバイアスがないかどうかの検討(就職率が低いランクの学歴の人が就職できた=優秀である可能性が高いという仮説のチェック。そもそも優秀なので年収が高いという話はないか?)