フリーチベットってどんな意味?

チベットの将来については、私は、中華人民共和国という枠組み内で解決を図ると決意しています。1974年以来、私は、チベットと中国の双方にとって有益となる中道のアプローチを真摯に貫いてきました。このことは世界中の人々がご存知です。中道のアプローチとは、すべてのチベット人自治区という字義通りの権利を享受した行政機関によって統治されることであり、外交と防衛を除くすべての問題を自らの意思で決定できる国家的地域自治があることを意味します。しかしながら当初から申し上げているように、チベットの将来を最終的に決める権利は、チベットにおられるチベット人のみなさんにあります。

交渉事の一技法として、自分の要求からすると無理めな要求を最初に提示し、譲歩する形で、自分の本来の要求を通すというものがある。この手法からすると、ダライ・ラマ猊下の希望する高度な自治を通すために、チベットの独立を要求するのも手なのかもしれない。

でも、中国は国民からの非難を極端に恐れている国に見えるから、強攻策を押すと政府が国民のため引けなくなるかもしれない。

NHKで8月15日にやっていた「【日本の、これから戦後60年 じっくり話そう アジアの中の日本」で、朱健栄という方が話していたことは、非常に納得がいくし、妥協点を見つけられる話だと思いました。以下に話の筋を思い出しで書いてみます。

周恩来が日本と講和条約を結んだときに、日本からの賠償金を放棄した。理由は、第一次世界大戦後にドイツに莫大な賠償金を支払わせたため、結果的に第二次世界大戦が発生した。日本にも賠償金を支払わせると第一次世界大戦後のドイツと同じようなことになるかもしれない。だから、賠償金は放棄した。

しかし、中国国内向けにはそのような説明では納得してもらえないので『日本の中国への侵攻は、日本人の一部が暴走した結果であり、日本人と日本全体が悪いわけではない。だから、日本に賠償金を求めるのはおかしいので賠償金を求めない』という物語を用意した。この物語を成立させるためには『暴走した日本人の一部』を用意する必要があり、周恩来は、当時、日本国内でも、そして国際的にも戦争責任があるとされているA級戦犯を『暴走した日本人の一部』とすることにした。

このような文脈で中国は、日本と友好条約を結んだのだから、日本政府がA級戦犯を『暴走した日本人の一部』と見なさないとすると中国政府は、中国の国民に対して、日本から賠償金をとらなかった理由が説明できなくなる。この部分を日本政府には考慮して欲しい」

発声練習:自分以外の視線で世の中を見るより)

この理屈と似た事が、チベット問題や台湾問題で生じているとしたら、中国政府はメンツを守るためにもなかなか引けないように思える。

知り合いの中国人の言葉、
「どうせ、今の政府なんてあと百年ももたないんだから。気にする必要はない。」