ごみを入れればごみが出る

先ほどフジテレビで30年後の東京では35度を超える日が21日以上になるといって煽っていましたが。そもそも、シミュレーションというものは、入力データの正しさとシミュレーションプログラムの正しさを検証した上でないとその結果が信じるに値するかどうかを判断してはいけないもののはずです。あれでは、地球シミュレータが出した結果は必ず正しいという間違ったメッセージを視聴者に与えてしまうのでよろしくありません。あくまでも、シミュレーションが正しいとした場合について議論しなければなりません。

あと、東京で35度を超える日が21日(夏が5ヶ月続きとも)言っていましたが、だからといって突然大量の死者が出るというのはミスリーディングだと思います。

まず、事例で紹介されていたのは2003年のヨーロッパ大熱波のフランスの例ですが、フランスで死者が大量に出た理由は、冷房が設置されていない家が多かったからです。私もちょうどそのときにフランスにいましたが、フランスは普段の夏は比較的涼しいのでデパート、地下鉄にすら冷房が設置されていないところが多いです。ましてや、3つ星くらいのホテルやレストランなんて、全く冷房なし。博物館でも冷房がなかったときは倒れそうになりました。こんな、冷房が完備されていない国と冷房がばっちり標準装備の東京を比較しても得るものが少ないでしょう。ましてや、30年後の日本ならば、冷房、暖房はエアコンに頼っている可能性がすごく高いと考えるのは不自然ではないでしょう。

また、35度を超えるについてですがWebで調べてみたら熊谷地方気象台:埼玉県の暑さデータ2004が見つかり、これを見ると熊谷は2004年に既に35度を超える日が28日あります。特に熊谷において大量の死者が出たというニュースを聞いた覚えがないので、東京で35度を超える日が21日を超えたからといってそれほど恐れる必要はないと思います。また、夏が5ヶ月に及ぶといっても、沖縄の年間平均気温をみれば、平均気温25度超えの月が5ヶ月ある沖縄のすごし方を参考にすれば、何とかなるでしょう。

地球温暖化は重要な問題かもしれませんが、もう少しトーンを落として語ってもらいたいです。児玉さんのコメントはさすがでした。