入学料や授業料未納による除籍について

ちょうど、指導している学生も似たような状況だった。経済的に困っている学生は入学料の納付で苦しむことが多い。結論から言うととにかく入学料だけ払っておけば除籍となるまで半年程度の時間的猶予は得られる。

sillly.hatenablog.com

追記

国立大学によっては1期未納で除籍というところもあるとのこと。



未納による除籍

入学料や授業料を未納であると除籍される。除籍というのは強制退学のこと。以下の2校の例だと入学料未納による除籍は、一定期間以内に入学料を支払っても復籍できない。

(除籍)
第30条 次の各号のいずれかに該当する学生は,当該学部の教授会(第1年次の学生に係るものにあっては国立大学法人北海道大学高等教育推進機構学務委員会,現代日本学プログラムの学生(第1年次の学生を除く。)に係るものにあっては現代日本学プログラム課程運営委員会。次条及び第31条において同じ。)の議を経て,総長が除籍する。
(1) 第8条に規定する在学年限に達し,なお所定の単位を修得していないとき。
(2) 欠席が長期にわたるとき,又は成業の見込みがないとき。
(3) 第36条第5項,第7項又は第8項の規定により納付すべき入学料を納付しないとき。
(4) 授業料の納付を怠り督促を受け,なお納付しないとき。

(復籍)
第30条の2 前条第4号に該当し除籍となった者から当該除籍の事由となった授業料を納付して復籍の願い出があったときは,当該学部の教授会の議を経て,総長が復籍する。
2 復籍の取扱いに関し必要な事項は,別に定める。
北海道大学:北海道大学通則より

(除籍)
第45条 学長は,学生が次の各号のいずれかに該当する場合は,当該学生を除籍することがある。
(1) 長期にわたる欠席その他の事由で成業の見込みのないとき。
(2) 入学料の免除若しくは徴収猶予を不許可になった場合又は半額免除を許可された場合及び徴収猶予期間が満了した場合において,納付すべき入学料を所定の期日までに納付しないとき。
(3) 授業料の納付を怠り督促を受けても納付しないとき

(復籍)
第45条の2 学長は,前条第3号に該当し除籍となった者から当該除籍の事由となった未納の授業料に相当する額を納付して復籍の願い出があった場合は,復籍を許可することがある。
2 復籍に関する要項は,別に定める。

北海道教育大学:北海道教育大学学則

多くの国立大学では入学料は4月入学なら9月まで(ただし、そこまで支払いを延ばす場合には入学料免除の手続きや延期手続きが必要な場合が多い)、授業料は2期連続未納(1年間分の授業料を支払っていない)場合に除籍になることが多い。

本学では、授業料の納入を怠り、督促を受けてもなお納入しない時は、「除籍」することになっており、未納が2 期の学生については、理由の如何を問わず除籍の処置がとられますので、くれぐれも納入を怠らないでください。 なお、授業料2 期の未納により除籍された場合でも、定められた期間内に未納分を納入した場合は、「復籍の願い出」を行うことを認めていますので、所属学部の教務・学生支援担当にお問い合わせください。
北海道大学:入学料・授業料より)

入学料、授業料免除

国立大学には入学料及び授業料の免除制度がある。ただ、入学料免除の手続きは入学前 or 入学直後に行わなければいけないことが多いので、支払い督促を受けてから免除を申請することはできない。

授業料免除の申請も4月入学なら5月~6月ぐらいまでに行わなければいけないことが多い。こちらも支払い督促を受けてから免除を申請することはできない。また、すでに授業料が半期分未納であるならば、授業料免除申請をできないことが多い(たとえば、1年後期の授業料が未納のとき、2年生4月に授業料免除申請をできないことが多い)。

入学料免除申請や授業料免除申請がとおらないと、指定期日までに入学料あるいは授業料を支払わなければいけなくなる。

対応:入学料の支払い延期を申し出て、金策する。授業料は1年後までに半期分支払う

大学の事務は入学料と授業料を一括で支払うことを求めてくることが多い。なので、学生さんは一気に60万円近いお金を用意しなければいけないと絶望的な状況になってしまう。けれども、授業料は2期連続で未納のときに除籍になるため、1年生の9月の段階ではまだ時間的猶予がある。1年生の2月ぐらいまでに前期分の授業料を支払えばよい(あくまでも除籍にならないための対応)。

一方で、入学料はとにかく納めないといけない。なので、支払い延期の申請で期限を最大限まで伸ばした後は金策するしかない。学生支援担当の係に相談するのが情報収集として効率よいと思う。

私の指導学生の場合は最終的には大学の学生後援会という組織が行っている貸与金を借りて入学料を支払った(在学中に速やかに返却する)。この貸与金については学生支援担当の係に教えてもらった。

おわりに

授業料に対する経済的な対応はかなり整っていると思うのだけれども、入学金に対する対応はあまりないように感じる。入学金を支払えないと大学に入ったことにならないので大学内のいろいろな制度が利用できない。ここいらへんの手当てがもっと増えるとよいと思う。