つらいときには、つらいことがわかる人と

連日のSession 22ネタ。エッセイスト・酒井順子さんが昔の友達が子育てをひと段落した後にまた一緒に遊ぶようになってきたという話をしているときにおっしゃっていた「つらいときには、つらいことがわかる人と一緒に集まるのが良いです。」というような発言を聞いて「確かになぁ」と思った。

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で、この春に研究室に配属された卒論生へのアドバイス「研究室の仲間と仲良くなりましょう。特に同じ卒論生と」。

なぜ?

ここ数年、所属研究室では卒業時に卒業研究を振り返り20分~30分くらい発表してもらっているのだけど、そのときにみんな言うのが「一緒に卒研に苦しんでいる仲間がいるから自分もがんばれた。」ということ。

理屈で考えれば他人が苦しんでいたって、自分の苦しみの元となっている作業はひとかけらも終わらないのだけど、やっぱり、自分だけがつらいというのはどうしたってつらい。せめて、他の人もつらい風情ならば「あいつもつらい、俺もつらい。もうちょっとだけ頑張ろう」となる(もちろん、この対処療法はブラック環境でみんな道連れで溶鉱炉に消えていく療法なので、絶対的なつらさは常に検討しなければいけない)。

愚痴を言える人、一緒に横で戦ってくれる人というのは精神的に得難い手助けになる。

でも、知らない人と仲良くとかムリ

「仲良くする=研究室で顔を合わせたら挨拶する。1か月に1度ぐらい他の人と一緒に(教員含んで良い)昼飯食べに行く」ぐらいで十分。重要なのは挨拶!可能ならば挨拶の後に「今日暑いね」「花粉つらいね」「雨やだね」とか天気の話題で言葉を2~3回往復できればパーフェクト。あとは、他人の力を借りて良いので一緒にご飯を食べにいければ良い。

本当にしんどいとき。卒研が切羽詰まるときに「じゃあ、飯でも食べに行こうか?」と言い出せるぐらいの距離ならば、「一緒に卒研に苦しんでいる仲間がいるから自分もがんばれた。」となるし、なれる。卒業研究という未経験のびっくり体験を一緒にしているわけなので、一緒にご飯食べに行けば自然と愚痴になるし、愚痴になったら「わかる」「だよね」「**先生には一度蹴り入れたい」とか返せばよい。

今日からできること

研究室に行こう。研究室に入るときには挨拶しよう。誰かが挨拶したら挨拶返そう。帰るときになんか言って帰ろう。

「研究テーマがはっきりしないから研究室行っても無駄だ。」「就活忙しいから、研究室いれても1時間だけだ。」とか考えないで、とにかく研究室に行こう。挨拶しよう。

おわりに

いくら親身になっているつもりでも教員は「つらいことがわかる人」にはなれない。だって、つらいことを課している方なんだもの。やっぱりそこは、同じ学生がいないと難しいよね。