【朗報】赤ちゃんの夜泣き、解決法が見つかると、それのネタ元の赤ちゃんの夜泣きは日本だけ!? 実はこうすれば良かったを読んで、「なぜに出典があいまいなの?」と思ったのでGoogle先生にお尋ねした。そうしたら、謎用語「サイレントベビー」というものに出会った。ちなみに大本はNHKスペシャル ママたちが非常事態!? 〜最新科学で迫るニッポンの子育て〜っぽい。
話戻って、どのエントリーも「サイレントベビー」という用語の出典について説明がない。にも関わらずX個の特徴とか言い始めている。
英語の"silent babies"で検索すると日本初の記事が検索上位でヒットする。1992年の記事で記者は Chieko Kurikiさんとあるので日本の方だと思う。
内容は、日本では"Silent Baby"と呼ぶ感情を表さない赤ちゃんが報告されているという内容。原因は母親とのアイコンタクトが非常に少ないからと書いている。この記事に書きぶりだと、silete baby という用語は英語圏にはなかったっぽい。
"サイレントベビー 小児科"で検索したところ以下のエントリーが見つかった。
- 【赤ちゃん】サイレントベビーとか何の疑いもなく信じちゃってるわけ? Part1
- 【赤ちゃん】サイレントベビーとか何の疑いもなく信じちゃってるわけ? Part2
- 【赤ちゃん】サイレントベビーとか何の疑いもなく信じちゃってるわけ? Part3(最終章)
- サイレントベビー? - Guinea Pig
上記のエントリーによると柳澤慧さんという方が「サイレントベビー」という用語を提唱し始めた様子。別のエントリーに良いまとめがあったので引用。
平成2(1990)年、日本の小児科医、柳沢慧による『いま赤ちゃんが危ない―サイレント・ベビーからの警告』が刊行されました。
著者の柳沢先生は、にぎやかなことが常識だった小児科の待合室が急に静かになったことに違和感を覚え、静かであまり泣かず、表情に乏しい赤ちゃんを「サイレント・ベビー」と名付け、問題提起しました。
当時マスコミが大きく取り上げたため、「サイレント・ベビー」という言葉が国内で広まりました。
(むかしはね! いまはね! どうする? 子育てギャップより)
小児科の人たちの中には上記の「サイレントベビー」という用語を肯定的に使っている人もいる様子。
- Child Research Net: 5. サイレントベビー - 論文・レポート
- Child Research Net: 6. サイレントベビーは今もいる- 論文・レポート
- 青森保険医新聞:小児科医のサイレントベビー(症候群)(PDF):内容は診療報酬改定によって小児科医がサイレントベビーのように学習性無力感に落ちいてしまうという話。
この「サイレントベビー」という病名だか病態だか状況だかは論文としてちゃんと報告されているんだろうか?ほぼほぼ、ニセ科学だと思うのだけど。
話変わって、元の【朗報】赤ちゃんの夜泣き、解決法が見つかるにある放置するという話はフランスの子どもは夜泣きをしない パリ発「子育て」の秘密で紹介されている方法でフランスでは一般的らしい。
その一方で、平成26(2014)年以降はフランス式という子育て法がブームになっています。
その元になっているのが、『フランスの子どもは夜泣きをしない パリ発「子育て」の秘密』です。
一例をあげると、
- 親子の部屋は別室にするけれど、常時ベビーモニターで観察する。
- 寝ている赤ちゃんが泣き出したら、すぐに抱き上げたりあやしたりせずに観察して、5〜10分待つ など。
このフランス式子育てはブームになって間もないので、これが果たして最適な育児法かどうか、十分検証する時間が必要です。
(むかしはね! いまはね! どうする? 子育てギャップより)
個人的にはこちらの方が信用できる。理由は上記の著者はアメリカ人でフランスで子育てを行う際にフランス式の夜泣き対処法にであった。その際にこの著者はフランス出身の小児科医(アメリカで開業)や論文を調べて、その妥当性を裏付けようとしている。著者が読んだ論文は以下の論文とのこと。Google Schalorによるとこの論文は400回近く参照されている。self-soothingというのが自分で寝付ける能力を表す用語らしい。
上記書籍の放置に関する該当部分
「ちょっと待つ」を解明して、勢いづいた私は、赤ちゃんと睡眠についての科学的文献を調べることにした。大半は、英語で出版された刊行物だ。その結果は衝撃的だった。英米人の親は「赤ちゃん睡眠戦争」をしているにも関わらず、英米人の睡眠研究者はそうではなかった。子どもを眠らせるための最良の方法について、研究者たちの意見はほとんど一致している。まるでフランス人のようなことを推奨しているのだ。
睡眠研究者はフランス人の親と同じく、ごく早い時期から赤ちゃんに眠り方を教えるために親が積極的に関わるべきだとしている。健康的な赤ちゃんなら、生後わずか数週間で、「泣かせっぱなし」にしなくても朝まで眠ることがを教えられるという。
睡眠についての論文を大量に集めて理論分析したレポート(next49注上記の論文)によると、結論として、非常に大切なのは「親の教育/予防」だ。たとえば、妊婦や新生児の親に睡眠の科学的な仕組みを教えて、睡眠の基本的なルールを学ばせること。親は赤ちゃんの誕生直後もしくは生後数週間から、ルールに従うべきだという。
では「ルール」とは何か?〜中略〜 夜には、赤ちゃんを眠らせるために抱きしめたりゆすったりあやしたりをしないでください 〜中略〜 赤ちゃんに、昼間と夜の違いを学ばせるためだ。〜中略〜 騒いでいる赤ちゃんを抱きあげる前に、ちょっと待って、本当に起きたのかを確認せよ 〜後略〜。
(「フランスの子どもは夜泣きをしない パリ発「子育て」の秘密」 pp. 65 - 66より)