修士課程修了者の採用活動かな?:「卒論の質で能力をみます」と語る、採用責任者の話。

「卒論の質で能力をみます」と語る、採用責任者の話。にでてくるような企業が増えるのは素敵だなと思うのだけれども、一方でこれ本当の話かなとも思う。

「今は、どこの大学に行ったかよりも、大学で何をしたかが重要です」と、その方は言った。

彼はあるテクノロジー系企業の採用責任者だ。数多くの学生を面接し、有能な学生を何人も引っ張った。

「大学受験までの勉強は、「自発的な探求」ではありません。」と彼は言う。「まあ、せいぜいパズルがうまく解けるといったレベルの話です。」

彼はそう言い切ると、少し沈黙した。私に今の言葉を反芻するよう促しているのだろう。

「だからあまり大学名は重視しません。それよりも、「卒論の質」のほうが遥かに重要です」彼はそう言った。

多くの大学では、卒業年度の12月〜2月が卒論提出のシーズンとなる。もし、卒論を実際に読んで採用を決めているとしたら、この会社は早くて1月、遅くて3月に採用活動をしていることになる。たぶん、この時期まで就職先が決まらないならば、学部卒は卒業研究をがんばることができない。なので、卒論を実際に読んで採用を決めているのが本当ならば、これは全部修士のときの話となる。

修士の場合、以前は修士1年生の秋から就職活動を開始することが多かった(2016年修了の場合は、修士1年生の3月1日から)。でも、秋ぐらいからの就職活動ならば卒論を読むだけでなく、修士課程に入って現在までの進捗状況を質問したらもっと「『自発的な探求』をどの程度できるか」を量ることができると思う。

ただ、文中で採用対象が大学院生であることがまったくみえてこないので、たぶん、こうなったら良いなぁという記事なんだろうと思う。全部の会社がこうするべきではないけど、卒業研究を行うのが当たり前の分野から学生を採用するなら、こういう会社があっても良いよね。