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高度技術者&研究者の卵を育成するときどこを養わせるか

答えは見えないけど非常に重要と思ったのでメモ。

これに対して、原田左官さんでは、ビデオによるモデリング(模倣)を積極的に職人教育に取り入れます。
 まず、日本でもっとも尊敬されるといわれる左官職人の塗り壁の様子を、徹底的にビデオで学び、「模倣」させます。その上で、社屋の一部に設置されたトレーニングスペースで、若い職人にすぐにコテをもたせて、べニア1枚分の壁に土を塗る作業を繰り返しやらせます。1時間で20回安定して、壁を塗ることができるようになった頃に、このトレーニングは終了です。あとは、「現場での教育」に接続させます。

 もっとも興味深いのは、こうしたモデリングのプロセスで、若い見習い職人さんたちが、身につけているものが「壁を塗るスキル」ではない、ということです。正しくは「壁を塗るスキル」ももちろん身につけるんだろうけど、それが大切なのではない。

 原田さんの言葉を借りれば、モデリングで身につけるのは、

 「現場に入ったときに、職人から学び、模倣する目を身につける」

 だといいます。
 いくらコテを持たせて、トレーニングスペースで修行をさせても、やはり、壁塗りのもっとも大切なところは、「現場」にいかなければ学べない。
 しかし、従来のやり方で、いきなり現場に放り込んでも、若手は、様々にいる現場の職人の仕事のやり方に翻弄されてしまう。
 また「見て、学べ」とか「模倣して、学べ」といっても、「学ぶべき視点」や「模倣する視点」を若手はもっていない。だから、まず「学ぶための目」「模倣するための目」をトレーニングで養う、というのです。
NAKAHARA-LAB.NET:若手・見習いの「下積み・下働き生活」とは本当に妥当なのか?:「最近の若手が育たない!」と口にする前に一瞬考えてみたいこと!?より)

清水さんによりますと、アナウンサーの育成で、最も力を入れているのは、「発音すること」ではなく、「自分の耳を養うこと」だと言います。

なぜなら、アナウンサーは3ヶ月後のトレーニングを経たのちは、原則としては「自分一人で、自分の発音を直し、トレーニングを積み重ねなければならないから」だそうです。要するに「自己調整学習するための感覚器を養う」ということでしょうか。

そして、そのためには、自分の発音やアクセントを聞き取る「耳を養うこと」が大切なのだそうです。
NAKAHARA-LAB.NET:自分の「耳」を養うのです!? : アナウンサーの「学びの現場」を取材させていただきました!より)