大々的に商機ととらえるのはちょっと違うと思う

程度問題なのだけど、「商機」ととらえて参入してくるプレーヤーが増えるとどうしたって心配に寄り添うのではなくて、心配を増幅させて売りつける方向に進みがちなので、ぜひ、自制して欲しいところ。

年の初めに家族や自分の健康と長寿を祈った人も多いだろう。その願いは世代を超え共通するが、中でも妊娠や出産を控えた女性たちには切実だ。追い求めるのは「ゼロリスク」。現実にはあり得ない100%安全な食品や農水産物だ。

大地を守る会の利用者は約20万人おり、うち9割強を女性が占める。その大半は妊娠や出産をきっかけに利用し始めた。東京・杉並の主婦、見沢海(34)もそんな一人だ。昨年、長男を産み「子どもにはできるだけ自然な食べ物を食べさせたい」と心から思う。

神経質との声もあるが食品メーカーや農家から見れば健康やゼロリスクへの切実な需要は新たな商機と映る。無農薬、有機、国産……。こんな食品や農水産物の情報が市場を広げる。
日経新聞:ママたちは食べ物が心配 「ゼロリスク」が価値生む 願いは健康長寿(1) より)

上の記事に登場する大地を守る会は選択肢を増やすという立ち位置のようだけ(大前提が「自然」=「安全」だけど)、ぜひ、煽るのでなく選択肢を増やすで商売してくれたらみんな幸せになると思う。

四.「基準超過」した場合の対応について

「食の安全」確保のためには厳しい基準値の設定が求められますが、同時に農業や漁業を再生させていく政策も必要です。放出されたセシウム半減期を迎える約30年後の子どもたちに、食と暮らしの基盤である第一次産業を責任持って継承するためにも、今ここで東日本の第一次産業を崩壊させるわけにはいきません。

また放射性物質の今後の動態は未だ充分に予見できません。想定外の汚染の拡散・深刻化や、新たなリスクの判明、さらには非常事態が発生する可能性もゼロとは言えません。あるいは原材料や飼料等の変更によって数値に変化が生じることも考えられます。しかし仮に基準を越えてしまった生産物が発生した場合においても、けっして生産地を切り捨てることなく、可能な限り支援策を講じ、生産基盤を維持・再生していくことが、今を生きる者として求められています。

基準値を超えてしまった契約生産物については買い取りを基本姿勢とします。また「測定結果の公表」と「消費者の選択権の保証」を前提として、皆様にお知らせしたうえで取り扱う場合があることも、ここに明記します。
大地を守る会:食品中の放射性物質に対する「自主基準」設定のお知らせより)