大学が貧困を抜け出す関門になっているか?

日本とアメリカという違いはあるし、結局はコストに見合う価値があるかという話なのだけど。

世界各国の教育の所得向上効果を調べた研究(Psacharopoulos, 1994)によると、教育に対する投資効果は初等教育が最も高く、中等教育高等教育となるにつれ、その効果は減少する。特に所得水準の低い国においては、教育への公的投資の効果が高い。しかし、OECDの Education at a Glance 2009(OECD, 2009)によると、OECD 諸国では、中等教育よりも高等教育の方が所得向上効果が高くなっている。これは先進国では、社会的・経済的価値の源泉がより高度な知へと移行しているためであると考えられる。
(第3章:教育における所得向上効果, 第1節:世界における所得向上効果の状況より)

「その通りです。例えば、バールマン&ローセンツウェイグの研究(*1)では、双子のうち、学校の規模が小さく、博士課程のプログラムを持っていて、シニアの教員に高い給与を払っている大学に行った人の方が、将来の賃金が高いという結果が出ました。一方、デイル&クルーガーの研究(*2)では、例えばハーバード大のようなあるエリート大学に受かったが行かなかった人と実際に入学した人を比べると、将来的な賃金は変わらないという結果になりました」
「エビデンスベースト」が日本の教育を変える〜中室牧子氏に聞くより)