子宮頚癌ワクチンの副反応の記事リンク

くねくね科学探検日記:子宮頸がんワクチンの痛みの副反応は心理、社会的要因が原因の意味を読んで以下のようにツイートした
https://twitter.com/next49/status/440428162443268096:twitter

それに対して、重篤な副作用がでているのにそれを気にしないのですかと問われたのでGoogle Newsを中心に記事を検索してみた。

ひととおりリンク集を作ってみた感想としてはこの副作用は日本以外でも発生しているのかということ。Googleで「"HPV vaccine" "side effect"」というキーワードで検索してみたけど、副作用としてあげられているのが失神、しびれ、赤い発疹など。日本で報告されているような副作用が見当たらなかった(死亡についてのやりとりはあった)。Wikipediaの安全性に関する記述も英語版と日本語版では大きく違う

2月末のアルミが副作用という話が気になるけど、知識が無いのでわからない。以下の実験はHPVワクチンの効果を確かめるためにアルミニウム塩とHPVワクチンを比較している実験の様子。本当にアルミニウムが危ないならこういう実験は許されなかったと思うのだけど。


以下、WHOの公式声明 「HPVワクチンに関するGACVSの安全性最新情報」の日本語訳より転載。

〜前略〜
すべての情報源からのデータは、引き続き2つのワクチンの安全性が再確認された。現在、米国のVaccine Adverse Event Reporting System(ワクチン有害事象報告システム)からのデータには2006年以降に販売された5000万接種分以上のデータが含まれており、プロファイルは2009年の検討時から大きくは変わっていない。初回の検討時に明らかになっていなかった有害事象報告、すなわち失神及び静脈血栓塞栓症(VTE)については更なる調査が行われた。失神については、報告され続けているが、HPVワクチンが接種される集団及び状況(注:多感な時期にある思春期女子を対象とする)を考えれば、妥当な関係がある可能性が高い事象である。そのため、ワクチン接種後15分間の観察期間を遵守することが勧告として強化されている。VTEについては、VSDにおける1ヵ月ごとの迅速分析(rapid cycle analysis)ではリスクの増大は認められなかったものの、経口避妊薬の使用、喫煙、本集団におけるその他の危険因子などの交絡因子を適切に補正して更なる調査が行われているところである。同様に、VSDではギランバレー症候群および脳卒中のリスク増大も認められなかった。
〜中略〜

オーストラリアにおける使用経験は、本年齢集団に新規ワクチンを導入する国、特にワクチンを学校での集団接種において投与する場合に役立つ教訓を示している。学校での集団接種プログラムが導入されてから間もない2007年5月に、女子校でワクチン接種を受けた720名のうち26名で浮動性めまい、動悸、失神又は卒倒、脱力感及び失語症を発現した。4名は救急車で病院に搬送されたが、更なる臨床医学的評価により報告された症状の器質的根拠は明らかにならなかった。この有害事象の集団発生は、ワクチン接種に対する心因性反応の結果であると判断された。この出来事によって、オーストラリアではマスコミの関心及び一般市民の懸念が増大した(Buttery 2008年、Gold 2010年)。このような症例については、迅速かつ詳細な医学的評価を行い、診断を確定したうえでワクチン又はワクチン接種との因果関係を評価し、リスクコミュニケーションの原則を採用した積極的なコミュニケーション対策を講じる必要がある。
〜中略〜

最後に、800万回分以上のHPVワクチンが販売されている日本から複合性局所疼痛症候群(CRPS)の症例が報告された。CRPSは通常は外傷後に四肢に発現する疼痛状態である。傷害又は外科手技後の症例が報告されている。本症候群は原因が不明であり、明確に記録される類の傷害がなくても生じることがある。HPVワクチン後のCRPSは日本においてマスコミの注目を集めたが、報告された5例のほとんどが典型的なCRPS症例と一致しないと考えられる。十分な症例情報がなく、多くの症例で決定的な診断に達することができなかったことから、副反応検討部会による検討では因果関係を明確にすることができなかった。これらの症例については調査中であるが、日本は国の定期接種においてHPVワクチンの接種を継続している。
〜中略〜

要約すると、HPVワクチンの安全性に関する前回の検討から4年が経過し、世界各国で1億7000万回分以上が販売され、より多くの国が国内の予防接種プログラムを通じてワクチンを提供していることから、諮問委員会は市販製品の安全性プロファイルに大きな懸念がないことを引き続き再確認することができている。以前、懸念とされていたアナフィラキシー及び失神は、更なる調査を通じて検討され、製品添付文書に適切な改訂が行われた。シグナルの可能性があるものとして報告されているギランバレー症候群、発作、脳卒中静脈血栓塞栓症アナフィラキシー及びその他のアレルギー反応などを含む重篤な有害事象は、さらに詳細に検討されており、多くは米国のVSDにおける1ヵ月ごとの迅速分析により検討されている。妊娠中に不注意でワクチンを接種した女性における妊娠転帰に関する自発報告及びレジストリによる調査では、予測される発生率を上回る有害転帰は検出されていない。

日本から報告されている慢性疼痛の症例には特別に言及する必要がある。世界各国で使用が増加しており、他からは同様の徴候が認められていないことから、現時点ではHPVワクチンを疑わしいとする理由はほとんどない。一般市民の懸念を認識して、治療を最善に導くために各症例についての慎重な記録ならびに専門医による確定診断の早急な徹底的調査を当諮問委員会は要請する。各症例の時宜を得た臨床評価及び診断に続く適切な治療が不可欠である。
子宮頸がん征圧をめざす専門家会議:WHOの公式声明 「HPVワクチンに関するGACVSの安全性最新情報」 の日本語訳配布についてより)

失神しやすい年齢があるので避けてはどうかという提案。

〜前略〜
実は、私もHPVワクチンを接種した。ワクチン接種が始まってすぐ、子宮筋腫に苦しんだ母に、接種すれば子宮頸癌にならずにすむと説得されたからだ。同じ頃、大学の友人も、徐々に接種するようになった。

HPVワクチンを打った時、痛みが強かった記憶がある。痛みは、体に様々な悪影響を及ぼす。予防接種に限らず、注射や採血の際の痛みが迷走神経を刺激して、失神する人がいる。

なぜそうなるのかと言うと、注射や採血の際の痛みにより、交感神経が活性化され、血管が収縮し、血圧が上がるのを、副交感神経が抑えようとするからだ。

副交感神経の働きが強すぎると、逆に血管が拡張し、血圧が下がりすぎることで、眩暈や吐き気が生じ、稀に失神してしまうこともある。これを迷走神経反射という。古くから知られた反応だ。

痛みや恐怖を感じやすい年代に限定した接種

1948年に米国で始まったフラミンガム(Framingham)研究によると、15歳前後と70歳以降に生じやすいことが分かっている。つまり、これまで我が国では、痛みや恐怖といった心理的要因よる問題が生じやすい年代に限定して、ワクチン接種していたことになる。

果たして、この年代にあえて接種する必要があるのだろうか。
〜中略〜

性交渉の有無を重視するのであれば、成人になってから接種しても遅くない。その年齢なら、予防接種のリスクとベネフィットを、自分で判断できるはずだ。
〜後略〜
JB Press:男性が接種しても利点多い、子宮頸癌ワクチンより)